【阪神】漆原大晟「第2の大竹」へ着実前進 現役ドラフト加入がチームに重宝される背景
東スポWEB / 2024年4月27日 6時3分
阪神は26日のヤクルト戦(甲子園)に2―8で完敗。引き分けを挟んだ連勝は7でストップした。守りの野球を標榜する岡田虎だが、この日は今季最多となる1試合4失策と守備陣が崩壊。攻撃面も森下の5号ソロと、代打・糸原の中前適時打による2点のみにとどまった。
攻守に精彩を欠くゲームの中で、この日キラリと輝いたのが2番手として登板した漆原大晟投手(27)だ。4回途中を5失点でKOされた先発・青柳の後を受け、一死一、三塁というタフなシチュエーションからの出番を余儀なくされながらも、オスナ、村上と続く燕打線の中軸を捕邪飛、二ゴロに打ち取り、無失点で窮地から脱出。続く5回も三者凡退で切り抜けるパーフェクトリリーフを披露した。打線がその裏に1点を奪い返したこともあって、チームは一時2―5の3点差にまで追い上げた。
試合後の岡田彰布監督(66)も「評価もクソも、一軍のブルペンにおるんやから。追加点をやらんければイケるっていうな。そういうアレやから」と反撃ムードを切り開いた右腕を称賛。漆原は今季ここまで6試合に登板し、防御率0・93の好成績をマークしている。ハイレベルな投手ばかりが揃う虎ブルペンにおいても、その存在感は日に日に増しつつあるのが現状だ。
柳の下に2匹目のドジョウがいた――。漆原は昨オフに現役ドラフトでオリックスから新加入。「18年ぶりとなるリーグ制覇の原動力となった12勝左腕・大竹のような活躍を」との声もあったが、その期待値は決して高いものではなかった。だが、春の実戦で着実に結果を残したことと、湯浅、岩貞らの主力リリーバーが不振に陥ってしまったこともあり、開幕一軍の座をゲット。新天地において自身の居場所をつかみつつある。
「主力陣を脅かす新戦力の台頭が少なかったこと」は開幕前の岡田監督の頭痛の種の一つだった。ドラ1右腕の下村はトミー・ジョン手術を受けたことで、今季中の戦線復帰は絶望的。即戦力として期待されていた同2位の椎葉も成績不振で、二軍調整を余儀なくされている。若き長距離砲候補として期待されていた井上、野口らも自身の殻を破り切れず、一軍昇格が遠い。
だからこそ、地味ながらも着実に結果を残している漆原の存在は、チームにとって何よりもうれしくありがたい。アレンパの使者として、さらなる活躍を持続できるか。引き続き注目だ。
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