【ＤｅＮＡ】筒香嘉智 復帰戦いきなり逆転３ラン 後輩を導く「人間力」の真価発揮はこれから

ヒーローインタビューで笑顔を見せる筒香

【赤ペン！ 赤坂英一】ＧＷ最終日、５年ぶりに日本球界に復帰したＤｅＮＡ・筒香嘉智外野手が、まずは最高のスタートを切った。

６日のヤクルト戦（横浜）に「６番・左翼」で先発出場し、２点ビハインドで迎えた８回二死一、二塁から復帰後１号となる逆転３ラン。７回の第３打席で放った初安打も、ホームランかと見まがう左翼フェンス直撃の二塁打で、もう十数センチ高ければスタンドに飛び込んでいただろう。

復帰後初の試合でヒーローになりながら、あくまでも淡々と振り返っていたのが筒香らしい。

「本当にまた、横浜スタジアムでベイスターズのユニホームを着てプレーできるのをうれしく思います。（本塁打は）点差もあったし、宮崎さんがつないでくれたチャンスで、強い打球を打とうと打席に入りました。感触は、はい。入るかなと思いました」

二軍戦６試合では打率１割７分６厘と結果を残せず。球団関係者からは、今回の一軍合流を不安視する声も上がっていた。そうした中、これ以上ない結果を残した筒香を三浦監督も絶賛。

「やってくれたね。さすがです。やっぱり、筒香独特のオーラ、打席での雰囲気（が違う）。ゴウがベンチにいることで、チームの雰囲気が進化したのかなと思う。（米国で）経験を重ねて大きくなって帰ってきて、練習、ベンチ、ロッカーの姿が、チームにいいものをもたらしてくれています」

そこで思い出したのが２０２０年オフ、筒香が参加した指導者のためのオンライン・セミナーで明かしたこんな持論だ。

「メジャーリーグの一流選手は人間的にも優れた選手が多い。例えば目の前にボールが落ちていれば必ず拾うし、拾わないと周りの選手からバッド・チームメートと言われたりする。そういう環境が人間的にも優れた選手をつくってるんだと思う」

そんな筒香とファームで接した蝦名は、こんな印象を抱いたという。
「やっぱり試合への準備の仕方が違います。ストレッチとか見て、僕たちとは取り組み方が全然違うなあ、と感じました」

また、筒香が米国にいた時期も含め、ほぼ毎年一緒に自主トレしていた関根はこう言った。

「筒香さんは親身にいろんな助言をしてくださるんです。僕の打撃の動画をアメリカの筒香さんに送って、具体的な言葉でアドバイスをいただいたこともありましたね」

筒香の引き出しには、まだまだ多くの「財産」が入っているはず。打撃はもちろん、後輩を導く「人間力」の真価を発揮するのもこれからだ。