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【菊地敏幸連載#33】鳥谷敬獲得で活躍した池之上格スカウトは〝一級品〟でした

東スポWEB / 2024年9月5日 11時5分

鳥谷(中)の獲得を実現させた菊地氏(左)と池之上スカウト

【菊地敏幸 辣腕スカウトの虎眼力(33)】2003年のドラフトでは自由枠で目玉選手の早大・鳥谷敬内野手の獲得に成功しました。私は担当スカウトでしたが、もちろん自分だけの手柄というわけではありません。

裏では球団にも金銭面での戦いをしてもらったはずですし、鳥谷本人の決断に影響のある関係者各位の力も借りました。表では私とタッグを組んで尽力してくれた池之上格スカウトの存在は絶大でした。

はっきり言って、池之上は私の3倍ぐらい仕事をしてくれましたね。基本的に野球を見ることが大好きですから。私と違ってね(笑い)。私なんて試合を見て選手を評価するとなれば、打者なら2打席、投手なら3イニングも見ればまあいいやっていうかね。ある程度のことは見えてしまうじゃないですかというタイプなんです。

でも、池之上は違うんですよ。この試合をキチッと見ておかないと、その学校へのあいさつなどで訪問した際に話が通じないって言うんです。いやいや…。この仕事でそんなことを言い出したら、指名候補選手の全試合を見なきゃいけないでしょって話ですよ。

でも、本当にそれぐらいキチンとしていてマメなんです。阪神のスカウトになる前はダイエーホークスのスカウトとして鍛えられてますからね。小久保裕紀(現ソフトバンク監督)、井口資仁(ダイエー、ホワイトソックスなど前ロッテ監督)、川崎宗則(ソフトバンク、マリナーズなど)を担当した敏腕スカウトですから。

豊富な資金力をバックに相当なお金も使ってきたはずですからね。その上で狙った選手からの逆指名を取りつけられなかったら「お前が甘いんだよ」という話になる。ウワサによると「ドラフト1位での指名予定だ」と4選手くらいに声を掛けちゃったらしいですよ。

ただ、実際に獲得に至れば問題はないんです。ドラフト1位、2位、3位と並べればいいんだから。でも、球団に大枚をはたかせた挙げ句、ダイエーへの入団を断られた上に他球団で活躍された日には立場がない。

そういった経緯もあり、根本陸夫編成部長の時代に肩を叩かれる形で1999年にダイエーを退団したようです。そのタイミングで阪神サイドが池之上をスカウトとして引き入れることになったんですが、実は00年入団ではなく1年、間隔が空いているんですね。

池之上が阪神に来たのは01年です。どうして1年空いたかというと、内部に反発の声もあったんです。ダイエーの敏腕スカウトが阪神に来るとなれば戦力アップになるじゃないですか。私はそこまで面識はありませんでしたが賛成でした。ただ、自分の立場が脅かされるのではと考える人間もいるわけです。

私は「絶対に戦力になるから」と球団フロントに強く推しました。当時の阪神・野村克也監督も南海の監督兼捕手の時代、ルーキーだった池之上と接していますから球団に強く推薦していました。そして、実際に阪神に来てくれたら大活躍してくれたんですから成功ですよ。一緒に仕事をしてみたら一級品でした。

読者の皆さんが池之上スカウトにどれだけ興味があるのか分かりませんが、次回も池之上のお話を続けたいと思います。

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