ピート・ローズ氏の意外すぎる経歴 MLB永久追放も…WWEで殿堂入り、1980年代には日本のCM登場

ゴルフ場でプレーするピート・ローズ氏（1992年）

ＭＬＢ歴代最多の通算４２５６安打を放った〝安打王〟ピート・ローズ氏が死去したと３０日（日本時間１日）に所属球団だったレッズが発表した。８３歳だった。

米メディアによると、ローズ氏はネバダ州ラスベガスの自宅で家族によって遺体で発見され、犯罪の痕跡はなかったという。輝かしい実績を誇りながらレッズ監督在任中の１９８９年に野球賭博疑惑が発覚。コミッショナーに永久追放処分の取り消しを何度も求めたが、認められないまま最多安打記録保持者でありながら殿堂入りを果たせなかった。

その影響もあってローズ氏にはすっかりダークなイメージが付き、９８年３月に世界最大のプロレス団体「ＷＷＥ」で開催された「レッスルマニア１４」にスペシャルリングアナウンサーとして登場。それ以降、〝赤い悪魔〟ケインとの抗争が勃発し、襲撃しては毎度のように返り討ちに遭って失神させられた。それでも２００４年には本業ではなくＷＷＥで殿堂入りする〝快挙〟を成し遂げた。３０日（同１日）に行われた「ロウ」（インディアナ州エバンスビル）でもローズ氏の訃報が伝えられた。

また、日本では１９８０年代に日本のカップ麺のテレビＣＭに出演。今でこそ大谷翔平（ドジャース）やダルビッシュ有（パドレス）など多くの日本選手がメジャーで活躍するが、当時ははるか遠い存在だった。「メジャーのパイオニア」と称される野茂英雄氏が海を渡ったのは９５年。それよりもはるかに前の出来事だけに異例の抜てきだったといえる。

晩年はイチロー氏の日米通算安打記録に文句をつけたり、大谷が巻き込まれた巨額の窃盗事件をやゆするような言動でも注目されたが、記憶にも記録にも残る名選手だったことは間違いない。