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「私にあなたの母親を求めないで!」と怒ったのに、夫を実父と比べていた自分を反省

LIMO / 2019年9月4日 10時45分

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「私にあなたの母親を求めないで!」と怒ったのに、夫を実父と比べていた自分を反省

結婚して家族を持つと、自分が生まれ育った家庭を参考にする場合は少なくありません。夫婦関係や子どもの教育方針など、自分が両親に育てられて感じた嬉しかったことや良いと思うことは取り入れたり、逆に嫌だったことは「自分はああしないようにしよう」と反面教師にしたり。

一方、パートナーに自分の親の側面を求めてしまうことが夫婦げんかの引き金になることもあります。サラリーマン&専業主婦家庭で育った夫と、夫婦だけでお店を営む自営業家庭で育った筆者の経験からお話します。

お互いの両親の仕事&家事育児スタンスが大きく異なる筆者夫婦

筆者の親は自宅に隣接したお店を夫婦で営んでいます。日中、週に何度か出張や配達などで外出することはあっても基本的に両親ともにお店にいるので、筆者たち娘3人は学校から帰れば両親とすぐに顔を合わせられた状態でした。朝も夜もご飯は家族全員で食べることが当たり前。母は仕事の傍ら家事全般を担っていたものの、仕事と家庭を両立する姿は幼心に筆者の目にはとても魅力的な生き方のように映っていました。

また、店主として仕事を頑張っていた父でしたが、子育てについてもかなり協力的だったそうです。筆者たちが乳幼児期には、父は全員のお風呂担当。抱っこやオムツ替えも手慣れており、幼少期の筆者は母よりも父の抱っこをいつも求めていたそう。

一方、筆者の夫は典型的なサラリーマンと専業主婦家庭。義父は世代的にもバリバリ働く企業戦士だったため、平日は朝早くに家を出て夜は終電間近に帰宅。土日にも出張やゴルフで家を空けることがたびたびあり、家事育児はすべて義母に一任していたようです。義母は家事育児の傍ら、小学校のPTA役員になったり近所の主婦友達と地域のボランティアや習い事に行ったりと、これまた典型的な専業主婦の生活を送っていました。

夫は義父について「仕事を引退するまでは、いつも仕事でピリピリして怖い顔をしてた。幼少期は父が家にいた記憶も会話した記憶もほとんどない」と笑って振り返りますが、これはあながち冗談でもないのだと思われます。

このように、お互いが育った家庭環境が大きく異なる筆者夫婦。結婚して子どもが生まれると、お互いが潜在的に持っている“家庭観”でぶつかることが出てきたのは自然なことなのかもしれません。

妻に専業主婦だった自身の母親の姿を重ねがち?

最初に衝突したのは家事の問題です。筆者は企業に属せずフリーランスで働いていますが、夫は義父同様に激務のサラリーマンのため、ほとんど家事がこなせません。比較的家にいることの多い筆者が多くの家事を担っている状態ですが、仕事もあるために、夫にすべての家事を丸投げされて「はい、わかりました」とするのは不可能です。

結婚当初のこと。筆者が起きたら、前日の深夜に帰宅した夫の靴下やシャツ、下着類がそこら中に脱ぎっぱなしになっていたことがありました。散乱した衣類から「夫は、専業主婦だった自分の母親レベルの家事をやってほしいと思っているんだ」と感じて、思わず「あなたの母親を求めないで!」と夫に怒ってしまった筆者。

その後、「私はあなたのお母さんほど家事はできない。できる範囲で掃除や料理、洗濯は頑張るけど、仕事もしたい。だから、せめて自分のことは自分でやってほしい」と告げたところ、夫も「仕事から帰ると家のことをしないのは、育った環境のせいもあるかも。なんとなく君がやってくれるかなと思っていた」と反省。それ以降は夫もある程度は家事に協力的になってくれ、お互いの考えをすり合わせて話し合うことで解決しました。

専業主婦の母親による家庭内サポートを受けた上でバリバリ働けていた義父と同様の働き方をしている夫に、家事まで強制するのは酷であることは重々承知。しかし、義母のような家庭100%の役割を求めているかのような行動をされたことで、さすがに辟易してしまったのでした。

自分がされて嫌だったことを夫にやってしまっていた

そんな中、昨年子どもが生まれると、この「自分の親をパートナーに求める」ことを筆者自身がやってしまったのです。

先述の通り、日常的に育児をしていたので子どもにも慣れている筆者の父。顔を合わすたびに、筆者の子どもをそれはそれは上手に抱っこをし、泣いてもあやしてくれ、コミュニケーションを取って可愛がってくれました。

一方、赤ちゃんにまるで慣れていない夫は、生後半年を過ぎても自分の子どもを上手く抱っこできず、泣き止ませることができずにいました。オムツ替えや離乳食を食べさせることも、「よくわからない」と言い、あまり積極的にはしてくれない様子。そんな夫を見て、筆者は「うちのお父さんとは大違いだな」とぼんやりと思ってしまったのです。

口に出してはいないものの、自分が夫に思われて嫌だったことを無意識のうちに夫に思ってしまったことで自分自身に失望した筆者。そして自分がやってしまったことによって、自分の親をパートナーに重ねることの不毛さを改めて実感しました。同時にそれは、パートナーが生まれ育った環境を否定することにも繋がるのだと感じ、相手に対するリスペクトがない姿勢だと深く反省しました。

育った環境が違うからこそ面白いと思えるように

今では、お互いの育った環境が違うことをプラスに捉えられるようになった筆者夫婦。2つの家庭のスタイルを知っているからこそ、時には意見をぶつけ合うこともありますが、自分たちの子育てや夫婦関係をより良くするための方向性を柔軟に探れるようになった気がします。そして育った環境の違いを客観的に捉え、その違いを面白がれるようにもなりました。

仕事をしている妻に対して専業主婦だった自分の母親のような役割を無意識のうちに求めてしまう夫は、珍しくないのかもしれません。また、同じ専業主婦だとしても、「うちの母親はもっと完璧にやっていた」と比較されるという声もちらほら聞きます。

逆に、「私の父親はこんなに稼いでいた」「育児もこんなにやっていた」と自身の父親を夫と比較してしまうことも少なくないでしょう。

どんなに価値観や育った環境、両親の仕事&家事スタイルが近いとしても、些細な違いが出てくるのは当然。違うから無理やり同じようにすることを求めるのではなく、その違いをどう受け止め、すり合わせて個々の状況における着地点とするのか。価値観や生き方が多様化している現代において、家庭に限らずすべての事象でそうした姿勢は求められているのではないかと感じます。

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