「外食多め」の年末…それでも節約できる「家計見直し術」
LIMO / 2019年12月9日 19時15分
「外食多め」の年末…それでも節約できる「家計見直し術」
金融庁の「老後2000万円問題」をきっかけに、貯蓄の現状に危機感を持った家庭も多いのではないでしょうか。教育費や住宅ローン、老後資金。頭が痛くなりそうですが、共働きで収入は多いのに貯蓄ができないというケースも増えているといいます。その原因は家計管理にあるようです。
共働き家庭の家計トラブルについて見てみましょう。
共働き家庭の家計トラブル事例
(1)お互いに「相手が貯金している」と思っていたAさん夫婦
Aさん夫婦は共働きで2人暮らし。財布も別々で、「家賃は夫、食費や日用品は妻、光熱費等はクレジット決済で」と大まかに管理。これといって貯金については計画していませんでした。「お互いに余ったお金を貯金しているだろう。そう思っていた」と話します。
財布が別々だと「担当している生活費以外は自由」という気楽さがありますが、同時に「残りをあるだけ使ってしまう」ということも。財布の残りを貯めようと思っていても実際はなかなか実行できないものです。そして、実はしっかり貯めていた側から見ると「私だけ節約?」と損な気持ちになってしまいます。Aさん夫婦はこのあと、給与天引きの積立額を大幅に増やしてみたそうです。
(2)家計簿役も妻…負担が偏っていたSさん夫婦
多忙なSさんは、おこづかい分を除いて給料をすべて妻に渡していました。家計管理は共働きの妻に任せていたのです。月々10万円を貯金する計画でしたが、「老後2000万円問題」が話題になったころに気になって確認したところ、ほとんど貯金できていないことが発覚。
「妻は家計簿をつけていなかったので。住宅ローンの返済に遅れはないが、これからのことを考えると不安になってしまった」とSさんは話します。
一方、Sさんの妻は、「育児と家事で忙しく、負担でした。職場から保育園へお迎えに行く時、天候が悪くてタクシーを使ったり、夕食にデパ地下の惣菜(そうざい)を購入したり…。そういう細かな支出の積み重ねで、貯金ができていない状態」だったとのこと。
奥さんにとっては自分の仕事と育児・家事で厳しい毎日だったようです。ムダづかいだと責めることもできないでしょう。天候が悪い中、無理をすれば子どもが風邪を引いてしまう。毎日の送り迎えはもちろん、子どもが熱を出すと保育園から呼び出されるのも奥さん、仕事を休んで看病するのも奥さんです。
そういう育児生活を頑張りぬくには、先に役割分担を話し合う必要があります。Sさん夫婦は、まず家事を時短できる便利家電をいくつか購入。それから家計の立て直しを考えることにしました。
(3)「子ども費」優先のTさん宅
IT関連の仕事をしているMさんは「妻がしっかり家計を管理してくれる」と感謝しつつ、「おこづかいが少なくて…」と、こぼします。
奥さんが重視しているのは子ども関連費。「食費を削ってでも、子どものための出費は削りたくない」と考える女性は多いのです。しかしMさんとしては「そこまで頑張る必要があるのかな」と話します。お金の使いみちについては家庭で話し合って、互いに同意していくことが重要でしょう。
家族構成やはたらき方の変化で赤字家計になる可能性も
共働きで家計に余裕があるはずなのにさまざまな不満や悩みがある中、妻が妊娠や出産で働けなくなることで新たな家計問題も起こり得ます。収入が減っても生活レベルを下げるのは難しく、立て直しが難しいもの。やはり、どちらか一方に任せきりにすることなく、夫婦で話し合いながら家計を管理していくことが大切だといえそうです。
共働きで忙しい…外食が多くても節約できる「家計見直し術」
夫婦ともに働いていると、日常的に家事・育児に追われ、外食も多くなり、人付き合いも多くて交際費がかさむ…そういう悩みもあるでしょう。なかなか貯められない場合は、家計の中で不必要な支出を探し出してみましょう。
固定費や習慣的な支出を見直す
節約して貯金するには、できるだけ支出を抑えていくのが基本です。「毎月きっちり使い切ってしまう」という家庭でも、固定費や習慣的な支出を見直すことで余裕が生まれることもあります。
《固定的な支出の改善例》
・携帯の料金プラン変更
・加入している保険の見直し
・自動車保険は保障内容の確認をしてから更新手続き
・コンビニに立ち寄る習慣を減らす
・ネット通販サイトの巡回を減らす
どうしても削れない分野を残していくためにも、代わりに削れる部分を探し、天秤にかけてみると必要性が分かるはずです。
一方で、冠婚葬祭関連の支出などは、大きな金額になることもありますが大切にしていくべきです。これを削ってしまうと人間関係に支障が出てきます。
また、家族で楽しみにしている外食やレジャーなども1カ月の上限を決めるなどのルールで乗り切ってみましょう。「今月は2万円まで」「残額は翌月繰り越し」など、一定枠内でのやりくりを家族で取り組んでみると、節約の練習にもなります。
「給与天引き」「学資保険」「つみたてNISA」を利用して貯蓄に強制力を
給与天引きであれば自動で貯金できますし、学資保険であれば毎月がんばって払っていこうという意欲につながるでしょう。このように貯め方を仕組化すれば、家計簿をつけるのが苦手でも継続的な貯蓄ができるようになります。
例えば少額投資非課税制度の「つみたてNISA」は投資利益の税金が非課税となります。投資である以上リスクはゼロではありませんが、こうした税制優遇制度も貯金の仕組みに組み込んでいくと、より有利に貯めることができます。
さいごに
共働き家庭は自由な時間も少なく、そして支出が増えやすい傾向にあります。節約して貯めていくには支出を見直すことが第一です。そして時間がないからこそ貯蓄の仕組みを作っておくと安心でしょう。
また、家族で使う外食費やレジャー費なども上限額を決め、家族みんなが納得できる方法で家計管理をしていきましょう。
【ご参考】貯蓄とは
総務省の「家計調査報告」[貯蓄・負債編]によると、貯蓄とは、ゆうちょ銀行、郵便貯金・簡易生命保険管理機構(旧郵政公社)、銀行及びその他の金融機関(普通銀行等)への預貯金、生命保険及び積立型損害保険の掛金(加入してからの掛金の払込総額)並びに株式、債券、投資信託、金銭信託などの有価証券(株式及び投資信託については調査時点の時価、債券及び貸付信託・金銭信託については額面)といった金融機関への貯蓄と、社内預金、勤め先の共済組合などの金融機関外への貯蓄の合計をいいます。
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