一斉休校で学力低下が心配…。家庭環境の違いで学力格差も!?
LIMO / 2020年3月25日 10時45分
一斉休校で学力低下が心配…。家庭環境の違いで学力格差も!?
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大で、多くの公立学校では3月の授業を全く行わないまま今年度の終わりを迎えることになりました。学校の先生も寝耳に水だったこともあり、休校中の補習教材などを十分に準備する余裕がなかったようです。
そのため、3月に行う予定だったテストと解答を生徒に配布し、休みの間に自宅でやるよう指示を出した学校も多かったと思います。しかし、生徒全員が素直にテストをこなす保証もなく、長い春休みとなった休校期間中に学力差が広がるのではないかと不安を持つ親も少なくありません。
未習単元のテストを何枚も手渡される
3月の小学校は卒業式など大きな行事を控えてはいるものの、新しく勉強する単元や年度末の総まとめテストがあります。ところが今回の一斉休校で、本来学校で受けるはずだった単元テストや学年末テストを家に持ち帰り、生徒に解くよう指示した学校や先生は多かったはずです。
通常ならば先生の授業を聞き、宿題のプリントを解いた上で単元テストに臨みます。子供にとっては、こうした流れが全て省略され「自分で解きなさい」と言われても、なかなか自発的な行動に移すのは難しいのではないでしょうか。筆者の子供たちも、学校で渡された何枚ものテストのほとんどをファイルに入れたままです。
また、今回の一斉休校はちょうど年度の変わり目の時期に起きました。この時期はクラス替えや先生の異動もあるため、「渡されたプリントの問題を解かなくても先生は確認できない」という思いが、子供が積極的にプリントに取り組まない理由の一つかもしれません。
先生も補助教材を準備する余裕はなかった
学校で新しい単元を学習する際、先生は宿題などを通じて授業内容の理解度を深めさせ、単元テストの結果で各生徒への定着度を見ていくというプロセスを踏みます。しかし休校決定が急だったため、先生方も普段の宿題のような単元に対する細かいサポート教材を準備する余裕はありませんでした。
突然今年度が終わってしまったことで、先生方も不安で仕方がないでしょう。自発的に勉強する子とそうでない子がいることも把握していると思われます。筆者の子供たちも「テストを渡されただけ」と言ってきたので、先生も急なことで何も準備できずに大変だったはずと返しました。
案の定、先生は「補助プリントの用意はできなかったけれど、みんなしっかりやると信じている」と語りかけたそうです。
学校外での学習機会の差は無視できない
こうした状況で先生方や親が心配しているのは、教育問題でよく取り上げられる「学習機会の格差」が今回の一斉休校で助長されるのではないかという点ではないでしょうか。
一斉休校の影響で多くの塾などが一定期間の休校措置を取っていますが、宿題や復習などの指示が会員サイトから出されたり、従来の春休みに入れば再開するところも多く、子供が勉強しないでいる状態を回避しようとしています。
また、日頃から通信教材を利用している子供たちは、3月に習うはずだった単元を教材で学んだり復習をするなど、休校の間も勉強する機会があります。
こうした子供たちに比べ、学校の授業で勉強し、家庭学習といえば学校の宿題のみという場合は、1カ月以上に及ぶ予期せぬ休みで極端に勉強時間が少なくなってしまうでしょう。家庭学習の習慣がなければ、いくら親がドリルや問題集を買っても子供は手を伸ばそうとはしないものです。
今回のことで、学校の存在は子供たちの生活リズムを整える大きな柱であり、勉強の場を与える重要な場所でもあることを再認識した方は多いはずです。
勉強する子は1日数時間し、勉強しない子は1カ月以上の休みに鉛筆も持つことなく過ごすとなると、平等に与えられた一斉休校の時間は、悪い意味で格差を助長してしまう要因にもなりかねません。
休校で生じる子供間の格差拡大は避けられない?
一斉休校では、勉強だけに限らず、給食がないことで起きる栄養の偏り、さらに運動不足などといった影響を子供たちに及ぼすことも心配されます。また、家庭環境の違いを起因とする学力格差が新年度に授業が再開されるまで広がっていく懸念があります。
政府は一斉休校要請の延長はしないと発表しましたが、感染者数の推移によっては新年度がずれ込む地域も出てくると思われます。このように、休みのゴールが流動的というのも大きな不安要素です。
家庭で学校と同じことを再現することは不可能に近いですが、勉強機会を与えるなど学校再開までに家庭でできることを行っていく工夫が大切なのではないでしょうか。
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