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40代、50代、60代「みんなの貯金」はいくら?迫りくる老後にどう立ち向かう?

LIMO / 2020年9月5日 20時15分

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40代、50代、60代「みんなの貯金」はいくら?迫りくる老後にどう立ち向かう?

総務省統計局が全国の約4万世帯の世帯員を対象に毎月実施している「労働力調査2020年5月分(https://www.stat.go.jp/data/roudou/sokuhou/tsuki/pdf/gaiyou.pdf)」結果によると、2020年5月の完全失業者数は198万人。前年の同月と比較すると33万人(20.0%)の増加となり、4か月連続で増えています。

依然として予断を許さない状況がつづくコロナ禍により、国民の生活が深刻な状態に陥っていることが読み取れます。失職や減収など先の見えない不安だらけの現状において、頼りになるのはやはりお金。生きていくうえで避けては通れないマネーの問題について、貯蓄という側面から考えていきましょう。

コロナ禍の影響が色濃く

同調査の内容をくわしく見ていくと、宿泊業、飲食業、生活関連サービス業、娯楽業などの業種で就業者数の減少が顕著なことがわかります。コロナ禍による営業自粛・客の減少などによる売り上げの大幅な低下が、従業員の解雇につながったと考えられます。

また雇用形態という観点で見ると、正規の職員・従業員数が前年同月比1万人(0.0%)の減少だったのに比べ、非正規の職員・従業員数は61万人(2.9%)減り、3カ月連続で減少しています。正規雇用とくらべ賃金が低く、有期雇用であるなど、もともと安定性が低いとされる非正規雇用者に大きくしわ寄せが及んでいる実態が浮かび上がってきます。

今回のコロナ禍のように、急に職を失って収入が途絶えたとき、頼りの綱となるのが貯蓄。実際ほかの人はどの程度貯蓄しているのかという疑問は、非常に気になるテーマですが、親しい間柄であってもお金の話はしにくいのが心情ですよね。そこで、2020年5月に公表された総務省統計局の家計調査報告の内容を見ていきましょう。

40代 50代 60代 世代別平均貯蓄額について 

総務省が全国約9,000世帯を対象に毎月実施している家計調査からまとめた「家計調査報告(貯蓄・負債編)2019年平均結果(https://www.stat.go.jp/data/sav/sokuhou/nen/pdf/2019_yoyaku.pdf)」によると、40代、50代、60代の世代別平均貯蓄額は下記のとおりです。

40~49歳 1,076万円
50~59歳 1,704万円
60~69歳 2,330万円

60代は40代の2倍以上の貯蓄額となっているのがわかります。一方、負債の方はどうなっているのかみてみましょう。

40~49歳 1,124万円
50~59歳  652万円
60~69歳  250万円

40代の世帯では負債現在高(1,124万円)が貯蓄現在高(1,076万円)を上回っており,負債超過となっていることがわかります。40代はちょうどマイホーム取得による住宅ローン借り入れの時期であり、一時的に貯蓄額が減る世代と考えられます。

一方、60代以上は住宅ローンの返済が終了すると同時に、相続や退職金の受け取りがある家庭が多いため、純貯蓄額(貯蓄現在高-負債現在高)が多くなり、余裕が出てくる世代といえます。

退職金に頼れない!あなたの老後はどうなる? 

老後の生活不安が切実になる60代。今後さらに年金の受給開始年齢が引き上げられる可能性もあることから、何歳になっても働く意思をもつ人が、働きつづけることができる社会の実現が望まれています。そして、リタイヤ後の生活の大きな支えとなる退職金ですが、実は年々減り続けているのをご存じですか?

厚生労働省では就労条件総合調査において、4・5 年毎に退職金制度・支給実態統計を実施しています。「平成30年度就労条件総合調査の概況(https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/jikan/syurou/18/dl/gaikyou.pdf)」および「平成20年度就労条件総合調査の概況(https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/jikan/syurou/08/dl/01.pdf)」をもとにした退職金の推移をまとめると、以下のようになります。

勤続 20 年以上かつ 45 歳以上の定年退職者の学歴別退職者1人平均退職給付額 ※1

・大学卒(管理・事務・技術職)
平成15年 2,499万円
平成20年 2,323万円
平成25年 1,941万円
平成30年 1,788万円

・高校卒(管理・事務・技術職)
平成15年 2,161万円
平成20年 2,062万円
平成25年 1,673万円
平成30年 1,396万円

※1「退職給付額」は、退職一時金制度のみの場合は退職一時金額、退職年金制度のみの場合は年金現価額、退職一時金制度と退職年金制度併用の場合は退職一時金額と年金現価額の計である

これを見ると、大卒・高卒ともに15年間で700万円以上も退職金の額が下がっていることがわかります。平均寿命が延びていることも考慮すると、老後資金は退職金だけに頼らず、日々の貯蓄により準備しておく方が安心です。

世代別貯蓄アドバイス

40代:負債が貯蓄を上回る家計管理が非常に重要になる世代です。住宅ローンのほかに大きな比重を占めるのが、子どもの大学進学にかかる教育費です。義務教育の間に頑張って意識的にコツコツ貯めていきましょう。

50代:子どもが独り立ちして、少し余裕が出てくる時期ですが、仕事では管理職ポジションにつくなどストレスを抱えがちなケースもあるかもしれません。ストレス解消のための散財は控えめにして、老後資金について大まかな計画を立て貯蓄を続けましょう。

60代:先に述べたとおり、老後資金を退職金だけに頼るのはリスク大です。リタイヤ後の生活を具体的にイメージしながら、暮らしのスリム化を図り、節約したお金を貯蓄に回せるとよいですね。場合によっては、少額でも定年退職後の定期収入を確保しておくと、精神的な安心感につながるかもしれません。

それぞれの世代でライフイベントや仕事の比重、加齢による体力変化などさまざまなファクターがあります。焦らず今後のライフプランを総合的に描きながら、その世代に合った貯蓄スタイルを追求したいところですね。

【ご参考】貯蓄とは
総務省の「家計調査報告」[貯蓄・負債編]によると、貯蓄とは、ゆうちょ銀行、郵便貯金・簡易生命保険管理機構(旧郵政公社)、銀行及びその他の金融機関(普通銀行等)への預貯金、生命保険及び積立型損害保険の掛金(加入してからの掛金の払込総額)並びに株式、債券、投資信託、金銭信託などの有価証券(株式及び投資信託については調査時点の時価、債券及び貸付信託・金銭信託については額面)といった金融機関への貯蓄と、社内預金、勤め先の共済組合などの金融機関外への貯蓄の合計をいいます。

【参照】
総務省統計局「労働力調査2020年5月分(https://www.stat.go.jp/data/roudou/sokuhou/tsuki/pdf/gaiyou.pdf)」
総務省「家計調査報告(貯蓄・負債編)2019年平均結果(https://www.stat.go.jp/data/sav/sokuhou/nen/pdf/2019_yoyaku.pdf)」
厚生労働省「平成30年度就労条件総合調査の概況(https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/jikan/syurou/18/dl/gaikyou.pdf)」
厚生労働省「平成20年度就労条件総合調査の概況(https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/jikan/syurou/08/dl/01.pdf)」

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