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日本型人材の全否定!? 予測不能な時代に生き残れない人とは

LIMO / 2021年6月6日 19時55分

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日本型人材の全否定!? 予測不能な時代に生き残れない人とは

最近注目のVUCA(ブーカ)を考える

近年、注目を集めるキーワードとして”VUCA(ブーカ)”という言葉があります。用例としては「VUCA時代の転職」や「ビジネスで注目されるVUCAとは何か」といった具合で使われ出しています。

最近はアルファベット略語が一杯ありすぎて、ホトホト困りますよね。今回はVUCAの意味や、関連キーワードなどを紹介していきます。

要は「予測不可能の時代になる」ということらしい

VUCAは、Volatility(変動性)、Uncertainty(不確実性)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性)の4つの単語の頭文字をとった造語で、ザックリ言えば“将来の予測が難しい”という意味です。

ググってみると、元々、冷戦終結によって従来の核兵器ありきの戦略から、不透明な戦略へと変わった1990年代の状態を表す軍事造語らしい。核戦略は、これもアルファベット略語ですが「MAD/相互確証破壊」理論というのがあって、これが万能ではなくなったということかもしれません。

あとで紹介する「OODA(ウーダ)ループ」も朝鮮戦争に端を発したワードですし、ミリタリー由来の言葉って、結構ありますよね。企業戦略の“戦略/strategy”や、物流関連等で使われる“ロジスティクス/logistics”も、みんなそうですし。

VUCAは2016年の世界経済フォーラム(ダボス会議)で、現在の世界を「VUCAワールド」と表したことで有名になりました。2016年がVUCAのメジャーデビューの年ということになります。

VUCA(ブーカ)時代に生き残れない人とは

さて、ここからはVUCAが、どんな文脈で使われ、VUCA時代に生き残れないのは、どのような人なのかを見ていきましょう。

2019年3月に経済産業省が「人材競争力強化のための9つの提言(案)~日本企業の経営競争力強化に向けて~」というレポートを発表しています。

このレポートでは、前提として「日本企業・個人を取り巻く社会・経済環境は大きく変化」したとして、「グローバル化」と「デジタル化」を2つの柱に、“不確実な経済・社会情勢(VUCA)でも競争力を発揮できる柔軟かつスピーディなビジネスを実施できる体制が求められる”というふうにVUCAが使われています。

巻末の参考資料が興味深く、かなり過激なフレーズが並んでいます(お役所の「参考資料」は本音がでますから)。いくつか紹介しましょう。

「メンバーシップ型からジョブ型への移行が必要」

「若手の優秀人材が日本の大企業への就職にもはや魅力を感じていない状況にどう対応するか」

「過度な社内公平性の呪縛。個人間で適性や能力に差が存在することについて、触れたがらない文化」

「組織内のダイバーシティと経営競争力の因果関係について、日本企業の経営者は腹落ちしていないのではないか」

ザックリまとめると“日本型人材”の全否定ということでしょうか。“根回し”も“社内交渉”もハッキリ言ってムダ。「社内公平性の呪縛」や「能力差に触れたがらない文化」に準拠している社員は生き残れないのかもしれません。

流れが読めない難しいレース展開

経産省のレポートをもう少し見ていきます。“ダイバーシティと経営競争力の因果関係について、日本企業の経営者は腹落ちしていない”というのは、やはり至言でしょう。つまり現在はダイバーシティ(多様性)が競争優位性の核心であるということ。

その通りだと思いますが、だったら日本の政治も、その路線で変革していってほしいものですよね。デジタルの話では、こんな一節もあります。「強みであった“すり合わせ”による競争優位が減退 → “winner takes all(一人勝ち)”の経済へ」。

“すり合わせ”は製造業だけの話ではありません。日本のビジネスマンが会議ばっかりやっているのは、すり合わせ中毒ですから。まあ、過去の成功体験の呪縛でしょうか。

ただし経産省のレポートを全部、信用する必要はないと思います。そもそも“予測不可能の時代”なのですから。極論すれば、競馬の予想みたいなものです。かなり手堅い予想だとは思いますが。

ただ、このレースが難解なのは流れが読めないことです。つまり、どのくらいの速さで日本は変わっていくのか。昨年末のDXレポート2(経産省)でも、DX(デジタルトランスフォーメーション)が進展しているのは一部企業だけで、ほとんどは未着手とされています。

自分の知人などは「日本が素早く変革なんてできるわけないでしょ。ハハハ」と豪語しています。もしかすると、自分が、あと何年、働かなければいけないかというのが、重要な変数なのかもしれませんね。

PDCAはもう時代遅れ

最後は関連キーワードの紹介です。VUCA時代の思考法として注目されるのが「OODA(ウーダ)ループ」です。

OODAループは「観察(Observe)」「情勢への適応(Orient)」「意思決定(Decide)」「行動(Act)」をループさせる思考法です。予測不可能な時代には、よりスピーディな思考法が必要になるということです。

対比される従来概念は、日本人が大好きな「PDCAサイクル」。これからは、悠長に「PDCAサイクル」なんて回していたら、置いてきぼりになるということかもしれません。

DXと関連して「アジャイル」という言葉も、よく聞きますよね。システム開発の用語ですが、これも、より素早く、機動性ある開発を目指すということ。

対比される従来概念は「ウォーターフォール」。これは日本のITゼネコンのお家芸で、「滝(Waterfall)のように落下するが如く開発が進む」という意味です。巨大プロジェクトで進行し、途中で仕様変更等はムズカシイということになります。

きわめて文系的なザックリ説明ですが、要は、すべてが、より機動性のある、スピーディなカタチを求めていることだと思います。そして、その背景には予測不可能なVUCAの時代があるということです。

「なんか、説明がザツすぎるなぁ」と感じるあなたは、スピードが必要なVUCAの時代には向いていないのかもしれませんね。完全な開き直りですが(笑)。

予測不可能な時代の到来。自分にも「人に聞くなよ、まず自分で考えろ」と言い聞かせている今日この頃です。

参考資料

人材競争力強化のための9つの提言(案)~日本企業の経営競争力強化に向けて~(https://www.meti.go.jp/shingikai/economy/jinzai_management/pdf/004_02_00.pdf)(2019年3月、経済産業省)

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