年収400万円世帯の住宅ローン「いくら借りられる?無理なく返せる額は?」
LIMO / 2021年7月22日 11時45分
年収400万円世帯の住宅ローン「いくら借りられる?無理なく返せる額は?」
新規で住宅購入を検討されている方からのご相談で一番多いのが、「いくらくらいの物件なら購入しても大丈夫?」というものです。
そろそろマイホームを購入したいけれど、「いくらくらいローンが組めるのだろう?いくらなら無理なく返済できるのだろう?」と心配している方は多いのではないでしょうか。
国土交通省「令和元年度 住宅市場動向調査報告書」によると、分譲マンション、分譲戸建住宅の購入者の年齢については、「30歳代」がそれぞれ51.7%、51.3%と最も多い割合となっています。
また、国税庁「令和元年分 民間給与実態統計調査-調査結果報告-」では、30歳~34歳の平均給与は410万円、35歳~39歳の平均給与が445万円と、30代の平均年収は400万円台となっています。
今回は、年収400万円世帯にスポットをあてて「住宅ローンはいくら組めるのか」「安心して返済できる金額はいくらか」についてみていきます。
年収400万円、住宅ローンはいくら組めるのか
住宅を購入する際、多くの方が住宅ローンを組むかと思いますが、年収400万円の方はいくらくらい住宅ローンが組めるのでしょうか。
金融機関で住宅ローンを組む際は、まず借入審査が実施されます。
主な審査項目は、「健康状態」「年齢や勤続年数」「物件の担保評価」「返済負担率」「個人信用情報」などです。
この中の「返済負担率」とは、年収に占める年間返済額の割合のことで、この割合が高くなると、住宅ローンの返済が滞る可能性が高いと判断されてしまい、住宅ローンが組めないこともあります。
では、年収に対しての借入限度額の目安はどのようになるのでしょうか。試算するポイントは「返済負担率」と「審査金利」です。
一般的に、金融機関でローンの借り入れ可能な返済負担率ですが、年収や金融機関によって異なるものの、25%~35%以下に設定している金融機関が多いようです。
また「審査金利」とは、変動金利や当初固定金利などを活用する場合、審査上適用する金利のことです。
2021年現在、変動金利の適用金利を見てみますと、各金融機関で優遇金利を適用しており、実際にローンを組んだ際の適用金利は0.4%~0.8%程度とかなり低い設定となっています。
ただ、「審査金利」は、金融機関によって若干異なりますが、3%~4%程度に設定されていることが多いようです。
仮に、年収400万円、返済負担率35%で審査をする場合を考えてみましょう。
〈年収400万円・返済負担率35%の場合〉
400万円×35%÷12ヶ月=11万6666円
つまり、月々11万6000円程度までの返済金額までなら、借り入れ可能ということになります。
借り入れ限度額を審査金利3%で逆算すると、年収400万円の人が借り入れできる限度額は約3000万円程度となります。※元利均等返済の場合
無理なく返済できる金額は?
年収400万円の方が銀行から貸してもらえる金額は約3000万円ということが分かりました。
注意すべき点は、「銀行から貸してもらえる金額」と「安心して返済できる金額」は異なるということです。
では、安心して返済できる金額はどれくらいなのでしょうか。
もちろん、世帯によって生活費もバラバラなので、個々によって変動はありますが、安心して返済できる金額の目安は、「手取り年収に対して20%~25%の範囲内」に抑えることです。
年収が400万円とすると、ざっくりと手取りで320万円程度となります。この320万円から月々の返済金額を求めると下記のようになります。
320万円×20%~25%÷12ヶ月=約5万3333円~約6万6666円
つまり、住宅ローン返済額を月々6万6000円以内に収まるように組むと家計にも余裕ができ、安心して返済することが可能になります。
銀行から借り入れできる金額は約3000万円と前述しましたが、仮に適用金利を変動金利0.6%、元利均等返済で計算してみると、年収400万円の人は約2500万円程度の借り入れにした方が、より安心感が増すと言えそうです。
なお、今回は35年の借入期間で試算しましたが、実際には、購入する年齢から現実的な退職年齢であろう65歳までの期間で考えるとより安心でしょう。
例えば、40歳の方なら65歳までを返済期間とし、借り入れ期間を25年に短縮してみましょう。その他は同じ条件で計算すると、約1850万円程度の借り入れが安心して返済できる金額の目安となります。
まとめ
住宅購入を考える際、銀行が貸してくれる金額をベースに予算を組み立てる方が多いのですが、大事なのは長期に渡って安心して返済を継続できるかどうかです。
人生に必要なのは住宅の費用だけではなく、将来の老後費用なども必要になりますから、これらを並行して考えていく必要があります。
また、住宅は購入した後も様々な費用が必要となってきます。固定資産税や火災保険、マンションの場合は、管理費や修繕積立金もかかってきます。
最近は、共働き世帯も増えていますので、ご夫婦合わせての世帯年収を基準にローンを組む場合、ライフイベントなどにも注意しておきましょう。
例えば、ローンを組んだ後の出産などによる働き方の変化や収入の変化、お子様の教育費なども想定しておく必要があります。
せっかくの楽しいマイホーム購入です。予算を考える際は、銀行によるローンの審査だけでなく、ご自身のライフプランに合わせたゆとりをもった返済計画を立てましょう。
参考資料
国土交通省住宅局「令和元年度住宅市場動向調査報告書」令和2年3月(https://www.mlit.go.jp/report/press/content/001348002.pdf)
国税庁長官官房企画課「令和元年分民間給与実態統計調査-調査結果報告-」令和2年9月(https://www.nta.go.jp/publication/statistics/kokuzeicho/minkan2019/pdf/001.pdf)
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