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「パパ休暇」とは?共働きを続けるためのイマドキ育休制度

LIMO / 2021年7月23日 12時15分

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「パパ休暇」とは?共働きを続けるためのイマドキ育休制度

~出産・育児と「女性の生涯賃金」~

育児休業制度ってどんな制度?概要をわかりやすくお伝えします。また、女性が、出産・育児で仕事を辞めた場合と続けた場合の生涯賃金格差についてもお伝えします。仕事と子育ての両立を実現するために、育児休業制度を賢く利用しましょう。

「育児休業制度」って?

育児休業とは、労働者が原則として1歳に満たない子を養育するためにする休業のことをいいます。この期間、一定条件(雇用保険に1年以上加入など)を満たせば「育児休業給付金」が支給されます。

特例として、両親がともに育児休業を取得する場合、原則1歳までの休業期間が、子どもが1歳2か月に達するまで延長される「パパ・ママ育休プラス」や母親の出産後8週間以内に、父親が育児休業を取得した場合、特別な事情がなくても、再度、育児休業を取得できる「パパ休暇」があります。

また、保育所などが利用できないなどの一定条件に当てはまれば、1歳6ヵ月または2歳まで延長が可能です。

支給額は育児休業期間中、賃金が支払われないなど一定の要件を満たした場合に以下の金額が支給されます。

<育児休業給付金の支給額>

休業開始時賃金日額×支給日数×67%(ただし、育児休業の開始から6ヵ月経過後は50%)

休業開始時賃金日額は育児休業を開始する前の6ヵ月間の賞与を除いた額面給与の総額を180で除した金額です。支給日数は30日を支給単位期間としており、月の途中で育児休業が終了する場合はその育児休業終了日までとなります。

たとえば、育児休業開始前の6ヵ月の月収が30万円(額面)だったら育児休業給付金として20万1000円が支給され、育児休業開始から6ヵ月経過後は15万円が支給されます。

両親ともに育児休業を取る場合

共働き夫婦の両方が育児休業を取る場合の休業期間のパターンを見てみましょう。

【パターン1】 通常の育児休業

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母親は、産休終了日の翌日から育児休業を取得することができます。期間は産休と育児休業を合わせて1年間です。父親は出産日から1年間育児休業を取得することができます。

【パターン2】パパ・ママ育休プラス

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拡大する(/mwimgs/2/4/-/img_2454b9ed86c091413103a00cc52d76e366421.jpg)


父母ともに育児休業を取る場合、父母それぞれが1年を超えない範囲であれば、育児休業を2ヵ月延長できる制度です。

【パターン3】パパ休暇

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出産後8週間以内に、父親が育児休業を取得した場合に、特別な事情がなくても再度育児休業を取得できる制度です。
※8週間以内に1回目の育児休業が終了することが条件となっています。

女性の「生涯所得格差」~出産退職で2億円の差が出るケースも~

女性は妊娠、出産、育児によって、仕事を辞めてしまうケースが未だに多いのが現実です。

一旦仕事を離れると、再スタートした時に今までのキャリアが活かせず、低賃金で働くことを余儀なくされたり、パートなどの非正規雇用の仕事にしか就けなくなるなど、就業環境の悪化が懸念されます。

ニッセイ基礎研究所の2016年のレポート「大学卒女性の働き方別生涯所得の推計」によると、女性が大学卒業後、同一企業で働き続けた場合の生涯賃金は2億3660万円、退職金(2156万円)を合わせると、生涯所得は2億5816万円になると推計されています。

また、同条件の女性が二人の子を出産・育休を2回利用し、フルタイムで復職した場合の生涯賃金は2億1152万円で、退職金(1856万円)を合わせた生涯所得は2億3008万円と推計され、出産なしで働き続けた場合と比べて生涯所得は1割しか減っていません。

一方で、第1子出産後に退職し、第2子小学校入学時にパートで再就職した場合の生涯賃金は5809万円で、退職金(338万円)を合わせた生涯所得は6147万円になると推計されています。

出産退職はおよそ2億円のマイナスという見方もできるということです。

出典:ニッセイ基礎研究所「大学卒女性の働き方別生涯所得の推計」

さいごに

育児休業を利用して、フルタイムで復職をした場合は、休業なしで続けた場合と比べて生涯所得が1割程度の減少であるのに対し、出産によって退職した場合は、2億円減少するという調査結果は、女性の働き方において、非常に考えさせられる問題です。仕事と家庭の両立というスローガンは随分と前から叫ばれていましたが、女性の育児休業の取得率が8割台であるのに対し、男性の育児休業の取得率は6.16%(平成30年度)であるなど、まだまだ女性側に大きく負担がかかっているのが実情です。(参照:【図】育児休業取得率の推移)

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出典:厚生労働省「育児休業制度について(令和元年)」資料出所:厚生労働省「雇用均等基本調査」

しかし、男性の育児休業は少ないながらも年々取得率が上がってきているのは希望が持てます。

女性が仕事を続けることは、生涯所得格差が示すように、経済的な自立がはかれるだけでなく、女性のキャリアプランを考える上でも大切なことです。そのためにも育児休業制度を上手に利用してほしいと思います。

参考資料

厚生労働省「育児・介護休業法について」(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000130583.html)

厚生労働省「Q&A~育児休業給付~」(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000158500.html)

厚生労働省「育児休業制度とは|育児休業を取る|育てる男が、家族を変える。社会が動く。イクメンプロジェクト」(https://ikumen-project.mhlw.go.jp/employee/system/)

ニッセイ基礎研究所「大学卒女性の働き方別生涯所得の推計-標準労働者は育休・時短でも2億円超、出産退職は△2億円。」(https://www.nli-research.co.jp/report/detail/id=54356?pno=5&site=nli)

厚生労働省「育児休業制度について(令和元年)」(https://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/kisei/meeting/wg/koyou/20191226/191226koyou03.pdf)

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