平均年収が30年前と変わらない日本。年収400万円は全体の何パーセントなのか
LIMO / 2022年2月3日 17時50分
平均年収が30年前と変わらない日本。年収400万円は全体の何パーセントなのか
Job総研が「20人~1000人以上規模の会社」に所属する667人にインターネット調査を行った『週休3日制に関する調査』によると、「賛成」が50.2%「やや賛成」が24.7%と、賛成派が多数となる結果になりました(2022年1月31日発表)。
一方で、14.0%を占める反対派の主な理由は、「給与が減少するから」の62.0%です。確かに週休3日になると、実質の給与は減少する企業が多いでしょう。
日本の平均年収は400万円とも言われますが、ここから減少するとなると生活が苦しくなる方も出てくると思います。
30年前から平均年収が400万円台から変わらないと言われる日本。今回はそんな年収400万円台の人が全体の何パーセントなのかを見ながら、働き方やマネープランを考えるきっかけにしたいと思います。
給与所得者の平均給与は433万円
国税庁の「令和2年分 民間給与実態調査統計」によると、日本の給与所得者の平均年収(平均給料・手当+平均賞与)は433万1000円となっています。10年前の平成22年分を確認すると、412万円。さらに30年前に遡ると、平成2年の平均給与は425万円でした。
つまり、ここ30年の日本の平均給与は、400万円台前半を推移しているということです。岸田新政権下では「賃金アップ」が掲げられていますが、実態では難しい現状が垣間見えますね。
年収400万円から500万円以下の給与所得者は何パーセントか
平均年収は433万1000円ということがわかりましたが、平均だけで全容をつかむことはできません。平均は一部の大きな値に引っ張られる傾向があるためです。
そこで、次は給与所得者のうち、平均値である433万1000円が含まれる「年収400万円から500万円以下」の割合を探ってみます。
令和2年の給与所得者は、全体で5244万6000人。このうち「年収400万円から500万円以下」の給与所得者は、764万3000人います。
つまり、全給与所得者のうち14.6%が「年収400万円から500万円以下」ということになりますね。一番多いのは「年収300万円から400万円以下」の17.4%です。さらに「年収500万円以下」まで範囲を広げると、69.7%。なんと約7割が年収500万円以下ということになります。
働き方にとらわれない時代へ
年収400万円台の割合について見ていきました。
平均年収は、ここ30年でほとんど変わっていません。しかし消費税はあがり、食品や日用品の物価はどんどん上昇しています。働き盛りの私たちにとって、苦しい時代と言えるでしょう。
賃金は上がらない、しかし税や支出は上がる一方…。このような状況に陥っている場合は、年収アップのために働き方を考えるといいかもしれません。
働き方は今後ますます多様化し、週休3日制を導入する企業も増えるでしょう。これは「副業OK」という条件がセットになってこそ機能する制度かもしれません。また週休2日制の企業でも、最近では副業を解禁するところが増えてきました。
空いた時間を活用し、副業に当ててみるのもいいでしょう。また他の企業への転職も視野に入れるといいですね。いずれにしても、スキルアップのための自己研鑽は必要です。自分の強みを活かせられる市場を探してみましょう。
2つの投資
年収は勤続年数だけでなくスキルとも直結するため、活かせるスキルがあると強みになります。そのためには自分への投資も不可欠。資格取得にコストがかかっても、市場価値が高まるのであれば投資のメリットが高いでしょう。
またお金の投資も大切です。賃金が上がらない現状を「失われた30年」とも形容されますが、銀行の金利も低いままです。同じような平均年収であった30年前は、銀行の金利が6%を超えることもありました。対して現在は、定期預金を選んでも0.002%前後。当時と同じように銀行に預けておくだけでは、お金が増えることは見込めないでしょう。
2022年4月からは高校でも投資の授業が始まりますが、大人の私たちも投資の知識を正しく身につけることが必要です。自分を高めるための投資、そしてお金に働いてもらうための投資。この2つを攻略できれば、マネープランはもっと安定させられるようになるでしょう。
参考資料
株式会社ライボ「「週休3日制に関する調査」(https://job-q.me/articles/13419)
国税庁「令和2年分 民間給与実態調査統計」(https://www.nta.go.jp/publication/statistics/kokuzeicho/minkan2020/minkan.htm)
国税庁「平成9年分 民間給与実態調査統計」(https://www.nta.go.jp/publication/statistics/kokuzeicho/minkan1997/menu/03.htm)
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