「年収1000万円」は日本でたった数パーセント?平均貯蓄はどのくらいか
LIMO / 2022年4月7日 5時20分
「年収1000万円」は日本でたった数パーセント?平均貯蓄はどのくらいか
多くの人が目標とする年収1000万円。
国税庁「令和2年分 民間給与実態統計調査」によると、日本人の平均給与は433万円とされています。
平均の倍以上の稼ぎがある人は、どんな暮らしをしているのか気になりますよね。
今回は年収1000万円以上にスポットライトを当てて検証していきます。
年収400万円代世帯はどのくらいいるの?
はじめに、平均給与額の400万円代世帯はどのくらいいるのか見ていきましょう。
国税庁の「令和2年分 民間給与実態統計調査」を参考にします。
【男女計】給与階級別給与所得者数・構成比
100万円以下:8.4%
100万~200万円以下:13.8%
200万円超 300万円以下:15.5%
300万円超 400万円以下:17.4%
400万円超 500万円以下:14.6%
500万円超 600万円以下:10.2%
600万円超 700万円以下:6.5%
700万円超 800万円以下:4.4%
800万円超 900万円以下:2.8%
900万円超 1000万円以下:1.8%
1000万円超 1500万円以下:3.4%
1500万円超 2000万円以下:0.7%
2000万円超 2500万円以下:0.2%
2500万円超:0.3%
平均:433万円
多くの方が目指す「年収1000万円」以上の方は、わずか4.6%です。
かなり狭き門であることがわかります。
ここからは、年収1000万円以上の世帯が貯蓄と負債、そして純貯蓄がどのくらいあるのか見ていきます。
年収1000万円以上世帯「貯蓄」はどのくらい?
ここからは、「世帯年収が1000万円以上」世帯の貯蓄事情を眺めていきましょう。
総務省「家計調査報告(貯蓄・負債編)-2020年(令和2年)平均結果-(二人以上の世帯)」を参考にします。
※四捨五入の関係で、各項目の合計と「平均貯蓄額」は一致しない場合があります。
年収1000万~1200万円(平均年収:1100万円)
平均貯蓄額:2182万円
〈貯蓄の内訳〉
・金融機関:2095万円
通貨性預貯金:732万円
定期性預貯金:624万円
生命保険など:462万円
有価証券:277万円
金融機関外:87万円
年収1250万~1500万円(平均年収:474万円)
平均貯蓄額:2720万円
〈貯蓄の内訳〉
・金融機関:2602万円
通貨性預貯金:973万円
定期性預貯金:825万円
生命保険など:434万円
有価証券:370万円
・金融機関外:117万円
年収1500万以上(平均年収:474万円)
平均貯蓄額:4579万円
〈貯蓄の内訳〉
・金融機関:4464万円
通貨性預貯金:1421万円
定期性預貯金:1179万円
生命保険など:808万円
有価証券:1057万円
・金融機関外:115万円
年収1000万円以上は、2000万円以上貯蓄できていることがわかります。
また、1500万円ともなると、経営者・役員等が想定されることから、有価証券の金額、特に株式の金額が多くなっていることがわかります。
また、預貯金と生命保険や有価証券のバランスもきれいに分かれていますね。
資産を増やすには「お金に働いてもらう」という考え方が大切なのがわかります。
年収1000万円以上世帯「負債」はどのくらい?
貯蓄と負債、つまりプラスマイナスの資産はセットにして考える必要があります。
最後に、年収1000万円世帯の負債額について確認します。
年収1000万~1250万円世帯の負債
平均負債額:1033万円
うち「住宅・土地のための負債」:931万円
年収1250万~1500万円世帯の負債
平均負債額:1059万円
うち「住宅・土地のための負債」:976万円
年収1500万円以上世帯の負債
平均負債額:1255万円
うち「住宅・土地のための負債」:1078万円
年収1000万円以上の負債の殆どが、住宅ローンなどの「住宅・土地のための負債」なのがわかりますね。
では、先述の「平均貯蓄額」から「負債額」を差し引いた「純貯蓄額」をみていきましょう。
年収1000万~1250万円世帯の純貯蓄額
2182万円(貯蓄)-1033万円(負債)=1149万円
年収1250万~1500万円世帯の純貯蓄額
2720万円(貯蓄)-1059万円(負債)=1661万円
年収1500万円以上世帯の純貯蓄額
4579万円(貯蓄)-1255万円(負債)=3324万円
1000万円以上の年収ゾーンでみると、貯蓄額、純貯蓄額ともに、1000万円以上はありますね。
これが年収1000万円の純貯蓄となります。
ご自身だけでなく、お金にも働いてもらう
今回は年収1000万円以上世帯の貯蓄と負債、そして純貯蓄について眺めてきました。
年収1000万円は誰もが羨む年収ではありますが、実際には公的制度の所得制限や、累進課税による税負担などがあるため、例え年収1000万円でも誰もが数千万円も貯蓄できているわけではないでしょう。
そこで、年収の高さを問わず、大きな資産を築くためには、まずは「お金にも働いてもらう」という考え方を取り入れてみることも必要かもしれません。
将来の老後資金などに備えるには、早い段階からコツコツ準備することが大切でしょう。
参考資料
国税庁「令和2年分 民間給与実態統計調査」(https://www.nta.go.jp/publication/statistics/kokuzeicho/minkan2020/pdf/000.pdf)
総務省統計局「家計調査報告(貯蓄・負債編)-2020年(令和2年)平均結果-(二人以上の世帯)」第8-2表(https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?page=1&layout=datalist&toukei=00200561&tstat=000000330001&cycle=7&year=20200&month=0&tclass1=000000330007&tclass2=000000330008&tclass3=000000330009&stat_infid=000032087774&result_back=1&tclass4val=0)
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