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末期がん父を看取った娘が後悔「やっておくべきだった相続準備」5つ

LIMO / 2024年2月8日 12時5分

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末期がん父を看取った娘が後悔「やっておくべきだった相続準備」5つ

【一覧表つき】写真や動画、サブスク解約……やっておきたい「デジタル資産の整理例」

親との別れはいつやってくるか分かりません。しかし、人は誰しも必ずさいごの時を迎えます。親との別れは必ず来るのです。

円満な相続を迎えるためには「親が元気なうちから相続について備えておくことが大切」という話はよく耳にしますね。とはいえ、長い人生の中で、親の看取りや相続はそう頻繁に起こることではありません。

今回は、末期がんの父の看病、介護、そして看取りを経験した聡子さんが、相続準備について「やっておけばよかった」と後悔していることを話してくれました。

末期がん父を看取った娘が後悔「やっておくべきだった相続準備」その1

使っていない銀行口座はありませんか?

yu_photo/shutterstock.com

銀行や証券の口座を集約してもらう

銀行や証券会社の口座をある程度、親に集約してもらいましょう。

亡くなった方の預金口座の解約手続きは、窓口に赴いて行う金融機関が多く、時間と手間がかかります。

必要書類は戸籍謄本、印鑑証明書、遺産分割協議書など多岐にわたりますし、1つでも書類が不足していれば、金融機関は手続きに応じてくれません。中には取引のある支店の窓口まで行かなければ解約手続きができないという金融機関まであります。

現在、積極的に使用していない口座は、親自身であらかじめ解約してもらうことをおすすめします。

※編集部注:外部配信先では図表などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際はLIMO内でご確認ください。

末期がん父を看取った娘が後悔「やっておくべきだった相続準備」その2

財産目録を作成してもらう

親に財産目録を作成してもらいましょう。

財産目録とは、保有している財産の内容が分かるように一覧でまとめたものです。

財産目録に記載する事項は、土地・家屋・預貯金・上場株式・非上場株式・出資金・投資信託・債券・ゴルフ会員権・貴金属・美術品などのプラスの財産と、借入金などのマイナスの財産です。

親と子供が別居をしている場合には、親がどこにどれくらいの財産を持っているか把握することが困難です。

財産目録を作成しないまま親が亡くなってしまった場合、親の取引銀行が分からず、子供が近隣の銀行に手当たり次第に電話をして、口座の有無を確認しなければならないという事態に陥ります。

財産目録を作成することで、遺された子供がどこにどの財産があるか分かるようになります。

末期がん父を看取った娘が後悔「やっておくべきだった相続準備」その3

親に遺言書を作成してもらいましょう。

遺言書を作成すると、どの財産を誰に相続させるのか、親が生前に指定することができます。

「うちの家族は仲がいいから心配ない」「我が家はそれほど大した財産は持っていないから」という考えは大間違いです。

親が生きているは特に表立ってトラブルにならないものの、いざ親が亡くなると子供たちの間で揉めに揉めてしまい、家族間に亀裂が入ってしまったというケースも少なくありません。

「令和3年(2021年)度 司法統計」によると、遺産分割に関する裁判は年間6934件発生しており、そのうちの76.6%が遺産総額5000万円以下のケースなのです。

親が元気なうちに遺言書を作成することを強くおすすめします。

末期がん父を看取った娘が後悔「やっておくべきだった相続準備」その4

もはや富裕層だけのものとは限らない「相続税」

Burdun Iliya/shutterstock.com

相続税の試算をしておく

親の遺産にかかる相続税の試算をしておきましょう。

相続税は「富裕層の税金」というイメージが強いかもしれませんが、2015年に相続税法が改正されて以降、相続税の課税対象となる方2倍以上に増えました。

都心近郊に土地を持っていて、数千万円の金融資産があった場合、相続税の課税対象となる可能性は十分にあり得るのです。

また、相続税は亡くなった日から10カ月以内に現金で一括納付をすることが原則です。期限内に税金を払えない場合には、延滞税などのペナルティが課されます。

相続税の課税対象となるかどうか試算しておかないと、「自分は富裕層ではないから対象外だと思っていて、申告期限に間に合わなかった……」ということにもなりかねません。

生前のうちから相続税額を把握しておくことで、子供や孫に贈与をする、生命保険の非課税枠を活用する、などの相続税の生前対策を行うことも可能になります。

末期がん父を看取った娘が後悔「やっておくべきだった相続準備」その5

 スマホやPC、デジタル情報の整理

親のスマホやPC、デジタル情報の整理の手伝いもしてあげると良いでしょう。

デジタル化が進む現代においては、デジタル資産についても生前の整理が必要です。データを残すもの、家族に引き継ぐもの、自分の中だけに留めておきたいものなど、カテゴリー分けして整理していきます。

【一覧表】デジタル資産の整理例

【一覧表】やっておきたい「デジタル資産の整理例」

出所:LIMO編集部作成

写真や動画などの保存、処分

SNSやブログなどのアカウント情報の整理

FXや仮想通貨の口座整理

ネット専用銀行、証券の口座

電子マネーやポイントアプリの整理

サブスクスクリプションサービスの解約

また、従来の預貯金や保険などの資産であれば、定期的に届くお知らせハガキや、タンスの奥から出てきた通帳など、モノを頼りに、契約内容を確認することができます。

しかし、デジタル資産は、それらも全てメールやアプリの通知などで行われるため、IDとパスワードが分からないと、遺された家族が手続きを行うことができません。

遺された家族が困ることのないよう、生前にデジタル資産を整理するとともに、エンディングノートや財産目録に、それらのID・パスワードの情報を記しておくことがおすすめです。

まとめにかえて

円満な相続を迎えるためには、「親が元気なうちから相続について備えておくことが大切」です。

親の死後、慌てることなく、トラブルが起きることなく、円満に相続が行われるよう、今回紹介した5つのことを、親が元気なうちに行ってください。

この事前の準備が、いざ相続が起こった時にあなたを助けてくれることでしょう。

参考資料

法務省「令和3年度 司法統計-家事事件編-遺産分割事件のうち容認・調停成立件数(「分割しない」を除く)」第52 表(https://www.courts.go.jp/app/files/toukei/597/012597.pdf)

国税庁「相続税及び贈与税の税制改正のあらまし(平成27年1月1日施行)」(https://www.nta.go.jp/publication/pamph/sozoku/aramashi/pdf/all.pdf)

国税庁「No.4205 相続税の申告と納税」(https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/sozoku/4205.htm#:~:text=%E7%9B%B8%E7%B6%9A%E7%A8%8E%E3%81%AE%E7%94%B3%E5%91%8A%E3%81%AF,%E6%9C%9F%E9%99%90%E3%81%A8%E3%81%BF%E3%81%AA%E3%81%95%E3%82%8C%E3%81%BE%E3%81%99%E3%80%82)

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