第10回 投資信託のタイプ:アクティブ型vsインデックス型(下)アクティブ運用の必要性とは?
トウシル / 2014年12月26日 0時0分
第10回 投資信託のタイプ:アクティブ型vsインデックス型(下)アクティブ運用の必要性とは?
相場の歪みを利用して収益の獲得を目指す
理論的にもコスト面でもインデックス運用の効率性が実証されているにも関わらず、アクティブ運用という手法が存在するのはなぜでしょうか。それは、現実の市場が理論通りにはいかないからです。
「100年に1度の危機」と言われたリーマン・ショックや欧州債務問題など、2000年代後半以降、日本を含む世界の市場は大きな浮き沈みに翻弄されてきました。アクティブ運用は、こうした相場の歪みを利用して収益の獲得を目指すところに最大の特徴があります。例えば、欧州の債務問題が深刻化した2011年以降、東証株価指数(TOPIX)などの市場インデックスが下落した中でも、内需関連企業を中心に好調を維持した銘柄は存在しました。アクティブ型の投資信託は、時間とコストをかけて有望な銘柄を発掘し、定期的に入れ替えを行うことで収益の獲得を目指します。
アクティブとインデックスの良い部分を取り入れたファンドも
インデックス連動型の特徴として、銘柄選定を必要としない分、インデックスと運命を共にする必要があることは、前回の本コラムでも言及した通りです。こうした理由から、完全なインデックス連動型ではなく、特定のインデックスを参考指数として掲げたインデックスとアクティブの中間のようなファンドも数多く運用されています。例えば、国際投信投資顧問が運用する「グロソブ」こと「グローバル・ソブリン・オープン(毎月決算型)」は、先進国債券の代表的なインデックスである「シティグループ世界国債インデックス」を参考に、組み入れ対象地域や通貨の割合を調整しています。
また最近は、シンプル且つ低コストのインデックスファンドを束ねて、複数資産に分散投資する「インデックス型バランスファンド」も人気です。さらに、JPX日経インデックス400のように、財務指標等の定量的な指標に基づいて組入れ対象となる企業を集めた「スマートベータ指数」も、アクティブ運用とインデックス(パッシブ)運用の中間に位置する運用法として注目されています。
※インデックス型バランスファンドについて詳しくはこちら
(篠田 尚子)
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