NYダウは三尊天井パターン?3月相場は天下分け目の天王山決戦!

トウシル / 2019年3月7日 17時14分

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NYダウは三尊天井パターン?3月相場は天下分け目の天王山決戦!

ファンダメンタルズの支えがないゴルディロックス相場の賞味期限は3月いっぱいか?

 米国株が10月から昨年末にかけて大きく下落したのは、FRB(米連邦準備制度理事会)が利上げを行い、資産縮小を継続したことが理由の一つであったが、そのFRBがもう利上げはしない、さらにブラードによると3月にも資産縮小を停止するという話まで出てきた。

 これによってマーケットはゴルディロックス相場が再開しているが、果たしてそんなにうまくいくのだろうか。世界的に企業業績も経済指標も悪化している。ファンダメンタルズの支えがないまま、パウエルプットの期待だけで株が上がっている。ネットデービスリサーチは、「景気が実際に改善しているのではなく、改善しているという期待だけだ」と指摘。そうした相場は一晩で変わる可能性がある。

NYダウ(日足)

上段:満月・新月・月食・日食
下段:ストキャスティクス5.3.3・MAオシレーター
下段:MOON DECLINATION
出所:ギャラクティックトレーダー

 ネッド・デービス・リサーチのアナリスト、ティム・ヘイズ、アヌープ・ナス両氏はリポートで、株式相場が「景気見通しの実際の改善というより期待によって押し上げられてきた」が、「債券利回りが上昇していないことなど、ファンダメンタルな支えがないことを示す兆候がある」と指摘している。

 その一方でレイ・ダリオが態度を軟化させているのが興味深い。

 米最大のヘッジファンド運用会社ブリッジウォーター・アソシエーツの創業者、レイ・ダリオ氏は、米国のリセッション(景気後退)確率が低下しているとの見方を示した。景気が減速し始め、米金融当局が成長にブレーキをかけることにより慎重になったとみられるためだと説明した。ダリオ氏はリンクトインで、「相場が弱含み、米金融当局は今や景気とインフレが弱いとみているため、より緩和的なスタンスへとシフトした」とした上で「米国が大統領選挙前にリセッション入りする予想確率を約35パーセントに引き下げた」と記述した。

 ダリオ氏は約1年半前、2020年大統領選までに米国がリセッションに陥る確率を50%超との見方を示していた。米国の一時的な急成長が金融当局による厳しい反応を招くと予想した。(ブルームバーグ2019年2月28日『ダリオ氏:米リセッションを以前ほど懸念せず-金融当局の姿勢転換で』)

 昨年秋以降からの株価急落局面において、レイ・ダリオは大統領の金融作業部会=「プランジ・プロテクション・チーム」(市場の急落を阻止するチーム)に利上げを停止するようアドバイスしたと言われている。そのアドバイスの直後から、パウエル議長以下、FOMC(米連邦公開市場委員会)メンバーの全員がハト派に転換した。まさか自分がアドバイスしたからという訳ではなかろうが、FRBの政策が今回はうまくいくかもしれないとして、米大統領選前にリセッション入りする確率を35%に引き下げた。

 しかし、筆者の周りのファンド勢の多くはこの相場の持続性について懐疑的である。相場の賞味期限は何時なのか見方はさまざまあろうが、米国株が9年半上げ続けてきたのが気になる。ひょっとしたら高値恐怖症なのかもしれないが、やはり相場はファーストイン、ファーストアウトだ。そうした発想なしに相場に最後まで付き合っていると危機がある度に引っかかってしまう。危ないところは入らないか、ポジションを縮小するのが筆者の相場信条である。

NYダウは三尊天井パターン? 米国の自作自演相場もそろそろ一服か?

 2月の中旬からラジオやレポートで「NYダウは三尊天井パターンか?」という疑念を指摘してきた。企業業績や景気指標が悪化しているのに、米国株は過去9週間、PKO(プライス・キーピング・オペレーション)と自社株買いだけで上げてきた。

 ムニューシン財務長官は、12月23日にBank of America、Citi、Goldman Sachs、JP Morgan Chase、Morgan Stanley、Wells Fargoの最高経営責任者に電話をかけた。そして、<大統領の金融市場作業部会>を招集した。これは、リーマンショック(金融危機)時の2009年以来の招集である。

 金融市場作業部会はレーガン大統領が1987年の大幅株安を受けて設立した組織で、株価のPKO部隊である。金融当局者間の情報共有を踏まえ、当局の対応を市場に伝えて混乱を沈静化する役割がある。

 3月の米国株市場はPKOと自社株買い相場がまだ延命するのか、持続不可能になるかの瀬戸際相場になりそうだ。仮にNYダウが三尊天井パターンならば、12月末からの上昇はあと2週間以内に終了となるだろう。

NYダウ(日足)と12月4日に召集された大統領の金融作業部会=「プランジ・プロテクション・チーム」(市場の急落を阻止するチーム)の動き

PKOと自社株買いで9週間上昇した米国株市場 

出所:石原順

NYダウ(週足) 三尊天井パターンか? 

出所:石原順

 米国はこれからリセッションに入ると思われる。イエレン前FRB議長が最も重視していたU6の失業率は既に反転しているからだ。

U-6 unemployment rate(U-6失業率)

 米労働省(DOL)が発表する6種類の失業率のうち最も広義のもののことで、ILO(国際労働機関)が定める全世界共通の失業率指標(U3失業率)における失業者に、「part-time workers(正社員になりたいがパートタイム就業しかできない人)」、「marginally attached workers(縁辺労働者:現在は職を探していないが以前就職活動し働く用意のある人)」、「discourage workers(職探しを完全に諦めた人)」等を加えた広義の失業者の16歳以上の労働可能総人口数に占める割合で表され、失業をより広く全体的に捉えることができる。

出所:ゼロヘッジ

 株式市場が上げ止まれば、自作自演のバブル部分をそぎ落とす下落が到来するだろう。自作自演相場はこの3月に大きな転換点を迎えると思われる。

 陰鬱博士マーク・ファーバーは「エコノミストもファンドマネージャーも当局が介入するほど良い政策であると常に考えている。財政・金融政策によるあらゆる実験と介入に、過誤がある可能性、副作用がある可能性、さらなる介入で過誤を招く可能性があることを、つい忘れしまう。この教訓を旧ソ連や毛沢東時代の中国にあった中央計画当局から学んでいるはずなのに…。

 経済政策の決定権者はまずは市場と資本主義制度に危害を加えないことからというお題目を何度も唱えているにもかかわらず、ほとんど何も処置をしないこと、ましてや何もしないことに抵抗を感じてしまう。さらなる量的緩和・政府の消費景気・公的資金援助・新しい規制・移転支出・マイナス金利によるあからさまな富の没収をしたいという気持ちを抑えがたいのだ」と指摘している。

 国家が過剰に株式相場に介入(PKO)すればどうなるか?それはもう日経平均株価で答えが出ている。<値幅調整>を止めたことにより、<日柄調整>の相場がえんえんと続くのである。

日経平均の月足と波動カウント

出所:石原順

日経平均VS木材 木材先物は日経平均の先行指標

 先週金曜日のラジオ放送でラリー・ウィリアムズが指摘する木材先物と日経平均の相関に触れたが、木材先物は日経平均の先行指標となっている。この相関(20日間木材先物が先行)からみると、日経平均の上昇の賞味期限はあと数日だろう。

木材先物(日足) 標準偏差ボラティリティトレードモデル
日経平均に20日間先行

上段:ボリンジャーバンド(21)±1シグマ
中段:ADX(14)・標準偏差ボラティリティ(26)
下段:売買シグナル 買いトレンド=グリーン・売りトレンド=オレンジ
出所:パンローリングカスタムチャート

ドル建て日経平均先物(日足) 標準偏差ボラティリティトレードモデル

上段:ボリンジャーバンド(21)±1シグマ
中段:ADX(14)・標準偏差ボラティリティ(26)
下段:売買シグナル 買いトレンド=グリーン・売りトレンド=オレンジ
出所:パンローリングカスタムチャート

日経平均と木材先物のオーバーレイチャート

出所:石原順

ラリー・ウィリアムズの日経平均予測

 先週までラリー・ウィリアムズは、日経平均の売り場とドル/円の売り場を探していたが、短期的にこの予測は間違っていたと述べている。

 ただし、ラリーは近く米国株の調整を想定している。「予測を外している例としてあげられるのが日経平均です。ここでは売りシグナルを探していました。しかし、米株市場よりも強く上げています。これは興味深い点です。日本株が米国株よりも強いと米株市場が調整入りしています。日本株は米株を追う展開になると思っています」と述べ、最終的には日経平均も米国株の下げ調整に追随すると考えているようだ。

ラリー・ウィリアムズの日経平均予測

出所:ラリー・ウィリアムズの週刊マーケット分析(ラリーTV)2019年3月4日 ラリー・ウィリアムズおよび国内代理店パンローリングの掲載許可をとって掲載。著作権のため、チャートおよび文章の一部を隠しています。

ラリー・ウィリアムズの米国株市場のビッグ・ピクチャー(サイクル分析)

出所:ラリー・ウィリアムズの週刊マーケット分析(ラリーTV)2019年3月4日 ラリー・ウィリアムズおよび国内代理店パンローリングの掲載許可をとって掲載。著作権のため、チャートおよび文章の一部を隠しています。

為替市場の現状分析

 上に「NYダウは三尊天井パターンか?」という疑惑を指摘したが、企業業績や景気指標が悪化しているのに、米国株は過去9週間PKOと自社株買いだけで上げてきた。仮にNYダウが三尊天井パターンならば、この上昇はあと2週間以内に終了となってもおかしくない。

 現在、ドル円相場はADXと標準偏差ボラティリティがピークアウトしかけており、ここから先は調整相場入りが濃厚な気配となっている。

ドル/円(日足)標準偏差ボラティリティトレードモデル

上段:ボリンジャーバンド(21)±1シグマ
中段:ADX(14)=黄・標準偏差ボラティリティ(26)=青
下段:グリーンの期間=買いトレンド・オレンジの期間=売りトレンド
出所:楽天MT4・石原順インディケーター

 ドル/円相場の価格帯別出来高をみると112円~114円は相当上値が重いと思われるが、なによりも気をつけたいのはファンダメンタルズの支えがない状態で上がってきた米国株の調整である。

ドル/円(週足) 価格帯別出来高

出所:楽天MT4

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【大阪開催】FXセミナー開催>>
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(石原 順)

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