ドル/円、111円は正直しんどい・・・今週108円台に日和見も?
トウシル / 2021年7月19日 9時17分
ドル/円、111円は正直しんどい・・・今週108円台に日和見も?
今日のレンジ予測
[本日のドル/円]
↑上値メドは110.90円
↓下値メドは109.20円
セキュリティを理由に、テスラ社製自動車の政府敷地内立ち入り禁止へ – 中国政府
16日(金曜)のドル/円は、やや「円安」。高値110.34円、安値109.73円、1日の値幅は0.61円。
この日は109.79円からスタート。東京時間午前に下げるが109.73円で止まる。この水準は買いオーダーがある模様で、前日15日も安値は109.71円。東京時間夕方に110円に乗せてNY時間には 110.34円まで上昇。終値は110.08円(前日比+0.25円)。
ドル/円に時々みられるパターンが、月初めに発表される米雇用統計の直前あるいは直後にその月の高値をつけて、あとは月末に向けて下落していくというもの。今月は雇用統計発表の2日に約1年3カ月ぶりの円安水準である111.66円まで上昇しましたが、現時点ではこれが7月の高値。
111.66円をつけたあと、8日には米長期金利の急低下と共に109.53円まで下落。しかし、注目のインフレ指標である米国の6月CPI(消費者物価指数)が13年ぶりの高水準まで上昇したことがわかると、FRB(米連邦準備制度理事会)の緩和縮小の早期開始に対する期待と警戒から110円台半ばまで反発しました。
ところが、パウエルFRB議長は議会証言では、金融引き締めに慎重な姿勢を崩さなかったため、109円台後半に逆戻り。これが先週までの流れです。パターンに沿うならば、今月後半にかけて下げていくことになります。
米長期金利が低下しているのは、実質金利ではなく、期待インフレに反応しているから。マーケットがインフレは一過性で終わると考えているからです。もっとも、パウエルFRB議長が緩和縮小に後ろ向きと決めつけるのはまだ早い。米指標はCPIに続いて、PPI(卸売物価指数)も強かった。ベージュブック(米地区連銀経済報告)も前向きな内容でした。これらの最新データを持ち寄って、今月の27、28日の、夏休み前のFOMC(米連邦公開市場委員会)で緩和縮小についてしっかり議論するということです。それまでは、ドル/円の方向もはっきりしない状況が続きそうです。
主要指標 終値
今日の一言
「これはじっくり考える価値のあるものか」と自問してみる。くだらない考える必要のないことは、とっとと「永久追放」する
Time After Time
日本のコロナ感染者は、緊急事態宣言による外出制限によって一時的に減った期間もありました。しかし宣言を解除すると再び感染者が増加して、また緊急事態宣言を発令。こんなことをこれからも延々に繰り返すのでしょうか。今年4度目の緊急事態宣言が予定通り8月22日まで続くならば、2021年が始まってから8月末までの243日のうちの172日、約70.8%が緊急事態発生中ということになります。この負のループを断ち切るには、ワクチンしかないことは最初からわかっていたはずです。
ワクチンと経済再開はワンセット。ワクチンを打てば自由に移動しても安全、なのかどうかわかりませんが、ワクチン接種率の低い国ほど経済回復は遅れるとマーケットは見なしています。金融市場では人口比の感染者数でもなく、死亡者数でもない。接種率がすべてなのです。
世界の人口の一定数以上がワクチン接種を完了したなら、世界経済はどうなるのか? 力強い景気回復と共に抑圧されていた消費が一気に爆発して、狂乱物価時代がやってくるのか。経済再開とインフレがセットでやってくるとの予想が当初は多かったのですが、景気停滞がこれからも続くと主張する悲観論者も増えてきました。というのは、ワクチン接種を完了したからといって、次々と感染力の強い変異株が現れるなかでは、ウイルスに対する恐怖を完全に消すことはできず、人々の生活は簡単に元通りにならないからです。
コロナ後の人々の行動バターンの予想は難しくなっています。ただ、夏に向けては解放感から、(一時的に)消費が爆発的に拡大する可能性は高いといわれています。供給が需要急増に追いつけず、モノ不足からインフレが一時的に跳ね上がる。それに反応して異常に低い状態に置かれていた金利が大幅上昇。しかし中央銀行はインフレ放置だから利上げはしない。低金利継続と消費回復を追い風にして株式市場の活況が継続する期待があります。一方、金利差による「ドル買い」と、リスクオンによる「ドル売り」に挟まれて、ドル/円はレンジ相場が続きそうです。
今日の注目通貨
ドル/円:今週の予想レンジ ↑111.13円、↓109.16円
今週のドル/円のピボット(ブルベア判断の分かれ目)は110.14円。110.14円より上ならばドル買い優勢、110.14円より下ならばドル売り優勢。
2021年これまでの高値は111.66円、安値は102.59円。平均値は107.13円、値幅は9.07円。
1日の最大値幅は1.14円、最小値幅は0.18円。平均値幅は0.57円。
先週末の終値は、2020年終値に比べて6.79円の円安。
112.40円 : 2019年 高値(19年04月24日)
112.22円 : 2020年 高値(20年02月20日)
111.66円 : 07月 高値(2021年 高値)
111.51円 : 第4レジスタンス(HBO)
111.13円 : 第3レジスタンス
110.84円 : 07月 61.8%
110.75円 : 第2レジスタンス
110.64円 : 第1レジスタンス
110.59円 : 07月 平均値
110.34円 : 07月 38.2%
110.14円 : ピボット
109.65円 : 第1サポート
109.54円 : 第2サポート
109.53円 : 07月 安値
109.16円 : 第3サポート
108.78円 : 第4サポート(LBO)
107.32円 : 2019年 安値
2021年 ドル/円データ
(荒地 潤)
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