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豪ドル、一転上昇!マーケットが突然「リスクオン」になった理由はなに? 

トウシル / 2021年8月25日 9時48分

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豪ドル、一転上昇!マーケットが突然「リスクオン」になった理由はなに? 

今日のレンジ予測

[本日のドル/円]

上値メドは110.30

下値メドは109.00

経済回復の遅れが金利低下を引き起こすなら、「金利安で株高」の相関関係は崩れる


 24日(火曜)のドル/円はほぼ横ばい。110円に届かなかったという意味では、わずかに「円高」。高値109.88円、安値09.41円、1日の値幅は0.47円。 

 この日は109.63円からスタート。東京時間午後に109.88円まで上昇するが、先週金曜日の高値(109.89円)と同レベルで止まるとNY時間には109.41円まで下落。その後、米長期金利が上昇したことに連れて109円台後半に再上昇する場面もありました。しかし米金利は1.30%まで持ち直すことはなく、したがってドル/円も110円に乗せられませんでした。終値は109.68円(前日比▲0.01円)。

 先週末は投資家心理が悪化して「リスクオフ」、今週月曜日は「リスクオン」。火曜日はどちらつかずのマーケットでした。リスクオフからリスクオンに切り替わったのは、今週末のジャクソンホールで、パウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長が金融政策のタカ派的転換を宣言する可能性が低いとの見方が増えたことで、株式市場の米長期金利上昇に対する不安がやわらいだことが理由。今年のジャクソンホール会合がオンライン形式になったことで、パウエルFRB議長が緩和縮小を発表するタイミングが難しくなったこともあります。

 とはいえ、リスクオフを引き起こした原因のコロナ変異株感染拡大、米国のアフガニスタン撤退で高まる地政学リスク、中国景気悪化の兆候、そして米経済ピークアウト説が消えたわけではない。

 FRBの緩和縮小中止のハードルは高い。最悪のパターンは、米経済減速とFRBの量的緩和の終了のタイミングが一致してしまうこと。緩和縮小が「善玉」から「悪玉」に交代するリスクがあります。

 24日のユーロ/円は128円台後半で横ばい。高値129.03円、安値128.59円。
 
 この日は東京時間午後に129.03円をつけるも、やはり129円台の売りは重く、NY時間には28.59円まで押し戻されました。終値は128.96円(前日比+0.13円)。

 24日の豪ドル/円は「豪ドル高」。高値79.74円、安値79.01円。 

 この日の安値となった79.01円は、始値と同じ。つまり全く下げることなくNY時間に79.74円まで上値を伸ばす。終値は79.61円(前日比+0.50円)。

 豪ドルを取り巻く悪環境は変わっていません。オーストラリアは世界の鉄鉱石輸出の50%以上を担い、さらにその90%以上は中国向け。しかしその鉄鉱石価格が過去4週間で40%も下落しています。国内では、新型コロナ感染が止まらずモリソン豪首相は感染ゼロ戦略の失敗を認めるなか、各地でロックダウンに対する抗議デモが起きています。

 それでも、豪ドルは売られすぎという見方が出始め、今週からのリスクオンの動きにも支えられ豪ドルが反発しました。この状況が続くかどうかもジャクソンホールにかかっているといえます。

 豪ドルの上下のテクニカルポイントは、今日の注目通貨をご覧ください。

出所:MarketSpeed FXより、楽天証券作成

主要指標 終値

出所:楽天証券作成 

※8月26日(木)の為替Walkerは休載です。 

今日の為替トレッキング

今日の一言

「決めない」ことも「決断」のひとつ

Jumpin’ Jack Flash

 FRB(米連邦準備制度理事会)は、物価上昇は起きているとしても、一過性であるという考えを堅持しています。しかしFRBがどう考えていようが、マーケットにとっては関係ないことです。FRBが間違っていた場合と本当に正しかった場合の、どちらのリスクを取るべきかで迷っているだけです。

 今週発表されたインフレ指標を見る限り、FRBはもうインフレを無視することはできない。インフレ上昇を示すデータに対してFRBが「一過性」というコメントで対応するほど、状況はかえって悪化するだけです。いずれにしても、FRBはこれ以上に「ハト派」にはなれないし、政策ガイダンスの変更は時間の問題です。FRBが決定を引き延ばすほど、それが起きたときたときのインパクトは大きくなる。

 マーケットが警戒しているのは「テーパー・タントラム」。「テーパー・タントラム」とは、8年前の2013年5月に、当時のFRB議長のバーナンキ氏が量的緩和の縮小(テーパリング)を示唆したことが引き金となって巻き起こった国際金融市場の大波乱のことです。

 今月のジャクソンホールで「テーパー・タントラム」が発生するのか。その可能性はゼロに近い、といわれています。しかしクラリダFRB副議長の発言に対するマーケットの反応を見ると、いくらわかっていても冷静に振る舞うことは難しい。FRBが気をもたせるほど、かんしゃく玉(タントラム)は大きくなり、爆発したときの威力も大きくなります。

今日の注目通貨: 豪ドル/円

予想レンジ ↑81.88円 ↓75.90円
↑は、79.74円が今月の中心値。ここに戻ってようやく中立
↓は、年初来安値77.89円、その下は75.90円

 2021年これまでの高値は85.80円、安値は77.89円。平均値は81.85円、値幅は7.91円。
1日の最大値幅は1.84円、最小値幅は0.19円。平均値幅は0.68円。
先週末の終値は、2020年終値に比べて1.09円の豪ドル安。

83.02円 :     第4レジスタンス (HBO)

81.88円 :     第3レジスタンス
81.58円 :     08月 高値

80.74円 :     第2レジスタンス
80.39円 :     第1レジスタンス
80.17 :     08月 61.8%

79.74円 :     08月 平均値
79.30円 :     08月 38.2%

78.89円 : ピボット

77.89円 :     08月 安値、2021年 安値
77.40円 :     第1サポート
77.05円 :     第2サポート 

75.90円 :     第3サポート

74.76円 :     第4サポート  (LBO)

出所:MarketSpeed FXより、楽天証券作成

2021年 豪ドル/円データ

※8月26日(木)の為替Walkerは休載です。  

(荒地 潤)

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