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インド株式はなぜ堅調?国際分散投資先としての魅力と注目ETF

トウシル / 2021年8月27日 7時58分

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インド株式はなぜ堅調?国際分散投資先としての魅力と注目ETF

インド株式の相対的な堅調が目立っている

 今週の米国市場ではS&P500指数とナスダック総合指数が24日と25日に最高値を更新。FDA(米食品医薬品局)がファイザーと独ビオンテックが共同開発した新型コロナワクチンを正式承認し、議会下院が10年で3.5兆ドル(約380兆円)の財政支出を目指す予算決議案を可決したことなどが好材料となりました。

 市場参加者は27日に予定されているジャクソンホール会議でパウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長がテーパリング(量的金融緩和の縮小)に言及するか否かに注目していますが、市場は概ね将来的なテーパリングの開始そのものを相当程度織り込んでいる感もあります。

 8月のマークイットPMI(購買担当者景気指数)など一部の景気指数は経済成長率減速の兆候をみせており、デルタ型を中心とする新型コロナ感染再拡大を考慮すると、金融当局として緩和縮小を急がない可能性も指摘されています。

 こうしたなか、世界市場のなかでインド株式が堅調を持続している点に注目したいと思います。図表1は、2020年以降における米国、インド、日本、中国の各MSCI株価指数のパフォーマンスを比較したものです。

 2021年春以降に中国株や日本株が劣勢に転じた一方、米国株とインド株の最高値を更新する堅調を示しています。同じ新興国市場でありながら、インド株と中国株のパフォーマンス格差からは「ワニの口」的な印象を受けます。本稿では、国際分散投資先としてのインド株式堅調の背景、投資魅力、具体的な投資方法についてご紹介したいと思います。

図表1:インド株式が相対的堅調を鮮明にしている

出所:Bloombergより楽天証券経済研究所作成(2020年初~2021年8月25日)

意外?インド株式が注目されている理由

 日本国内だけでなく世界でデルタ型変異種の影響で新型コロナウイルスの感染が拡大しています。ただ、デルタ型が最初に確認されたインドでは、今春のピーク時と比較して感染が沈静化しています(図表2を参照)。

 インド各地ではロックダウン(移動制限)が解除され、経済活動が徐々に正常化に向かっています。「デルタ型(インド株とも呼ばれる)」の震源地とされるインドでは、4月に「感染爆発」が発生し、1日の新規感染者が60万人に達する事態となりました。

 実際の感染者や死亡者は統計上に表れないほど厳しい状況だったとされます。その後、5月上旬をピークに感染は落ち着きを取り戻し、足元の感染者数(週平均)は4万人台まで低減しています。

 こうした感染爆発を経て、「インド全体の抗体保有率が7割程度となり、『集団免疫』を獲得した可能性がある」(インド政府)との説が出てきました。総人口13.8億人超のうち約9億人超がすでに抗体を保持しているとされ、ワクチン接種の普及を待たずに感染者数が減少に向かっているインド独特の現象とされています。

 もちろん感染動向はいまだ予断を許しませんが、世界有数の大きな感染被害を被っただけに、インドは世界でいったんの「ポストコロナ」を最も鮮明にしている国と言えるかもしれません。

図表2:インドの感染動向:すでに「集団免疫」を獲得したのか

出所:Bloombergより楽天証券経済研究所作成(2020年3月初~2021年8月25日)

 本来、インドは世界で比類のない高い経済成長が見込まれています。人口(約13.8億人)は右肩上がりに増え、2030年までに中国の総人口を凌ぐと見込まれています。また、2030年代には名目GDP(国内総生産)で米国や中国に次ぎ世界3位となる可能性も予想されています。

 経済成長の「原動力」として注目されているのは、生産年齢人口(15才以上64才以下の人口)の伸びと総人口に対する比率(割合)の上昇です。日本では1970年代から1990年代にかけ同比率がピークを迎え、中国では2020年代にピークを迎える予想ですが、インドは2040年代まで生産年齢人口とその比率が増加し続ける見通しです(図表3)。

 所得格差(貧富の差)の問題はあるにせよ、一人当り平均GDP(≒平均所得)はいまだ2000ドル程度と低水準である(増加余地が大きい)一方、平均年齢が若い(28才)ことで、「インドの高度経済成長期(GDP全体の高成長期)はこれからが本番」と言われています。

 コロナ危機でインドの2020年・実質GDP成長率は-7.3%と落ち込みましたが、IMF(国際通貨基金)の「世界経済見通し」によると、2021年には+9.5%、2022年は+8.5%と高成長率への回復軌道が見込まれています。

 労働人口の増加、所得(賃金収入)の増加、個人消費の拡大、インフラ整備の進展、外資企業の進出増加、生産性改善という好循環と高成長が期待されています。

図表3:インドの生産年齢人口は2050年まで増え続ける

出所:国連調査(UN World Population Prospects (June 2019))より楽天証券経済研究所作成

国際分散投資に活用できるインド株式連動型ETFを知る

 インドでは、英語ができるビジネスマンや優秀なエンジニアが多く、政治体制は議会制民主主義、経済も資本主義であることも日米欧を中心とする多国籍企業や外国人投資家に安心感があるとされています。

 現職のモディ首相は2014年に就任以降、「モディノミクス」と呼ばれる規制緩和や税制改革を推進。外資系企業の誘致を介して技術移転や資本流入を促進しています。

「メイク・イン・インディア」(国内製造業の活性化、雇用創出、輸出拡大)と呼ばれる政策に加え、「デジタル・インディア」(情報通信網の整備や行政手続きのデジタル化)、「クリーン・インディア」(清潔なトイレの全国的整備など)も推進しています。

 こうした改革は、インドへの直接投資(企業進出)魅力を高めやすいと考えられます。

 コロナ危機に対応しモディ政権は財政出動を積極化。RBI(インドの中央銀行)は金融緩和策を実施しました。とは言え、インドへの証券投資には個別銘柄リスクや比較的高い取引コストの壁があることも否めません。

 そこで具体的な投資ツールとしてインド株式の成長に沿う投資成果を目指す東証上場ETF(1678)をご紹介します(図表4)。本ETFのベンチマークはインドのCNX Nifty 50指数(円換算)です。

 インドのナショナル証券取引所に上場する企業のうち時価総額、流動性、浮動株比率等で選定された主要50銘柄で構成されています。同ETFは売買コストが高い現物株式ではなく、シンガポールで取引されているNifty50指数先物に投資している点が特徴です。

 同ETFの運用純資産は約94億円です(運用:野村アセットマネジメント)。売買単位は100口単位となっており、直近の単価219円(25日時点)で換算すると、1売買単位として2万4千円程度からインド株式市場に分散投資するのと同様の効果があるポートフォリオを保有することが可能です。

 国際分散投資の「コア・サテライト戦略」のサテライト部分の役割を担う手軽な投資ツールの一つとしてご検討いただけると思います。

図表4:インド株式市場に連動を目指す東証上場ETFに注目

*上記は参考情報であり、特定の投資商品を推奨するものではありません。 *CNX Nifty50種指数は、インド証券取引所に上場する大手企業50社で構成される時価総額加重平均指数です。 出所:Bloombergより楽天証券経済研究所作成(2020年初~2021年8月25日)

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(香川 睦)

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