円高はこれからだ! 来週のドル/円、さらに下落か
トウシル / 2023年1月13日 9時54分
円高はこれからだ! 来週のドル/円、さらに下落か
今日のレンジ予測
[本日のドル/円]
↑上値メドは132.25円
↓下値メドは127.75円
日銀:緩和政策見直しは(自民党支持基盤の)年金生活者への配慮との見方も
日銀:世論の55%が「日銀は緩和政策を見直すべき」
円安:円安なのに日本の製造業のセンチメントは悪化
新型コロナ:政府がコロナウイルスを軽く扱うほど;ウイルスに対する恐怖が高まる
世界景気:世界の中央銀行が次々と利上げした結果、世界経済は鈍化した
ECB利上げ:欧州政府の財政拡大を懸念
FRB利上げ:労働市場からのインフレ圧力を懸念
英インフレ:BOE「インフレはピークを越えたが、今後数カ月間高止まりする」
BOE利上げ:賃金上昇が続く限り、BOEはさらに利上げを続ける
中国経済:中国の企業信頼感;2013年以来の水準に落ち込み
1月12日(木曜)のドル/円は大幅に「円高」。
1日のレンジは128.86円から132.49円。値幅は3.63円。
2023年9営業日目は132.40円からスタート。
高値は東京時間朝につけた132.49円まで。マーケットは米インフレ低下を想定して新年からドルショートを積み上げていて、この日も132円台半ばで頭を押さえられた。
米12月CPI(消費者物価指数)発表後はドル売りが一段と激しくなり、132円台を下に抜けるとそのまま129円台を通り抜け、昨年6月1日以来の円高水準となる128.86円まで大幅に下落。
終値は129.34円(前日比▲3.16円)。
この日発表された12月米CPIは、前月比▲0.1%(前回+0.1%)、前年比+6.5%(前回+7.1%)という結果だった。ガソリン価格の大幅下落(エネルギー指標▲4.5%)がCPI押し下げに貢献した。新中古車価格も落ち着きを見せた。一方で住宅関連価格は+0.8%上昇した。
12月CPIは、事前予想とほぼ同じ結果で、それほど目立って下げたわけではない。しかしFRB(米連邦準備制度理事会)が昨年のような0.75%や0.50%という大幅な利上げをする必要性はなくなったことは確かだ。来月のFOMC(米連邦公開市場委員会)で利上げ幅が0.25%に縮小されることはコンセンサスとなっている。
一方で、ECB(欧州中央銀行)そして日銀は今年が本番。利上げ終了に向かうFRBと利上げに向かうECBと日銀。ユーロ高と円高の余地はまだありそうだ。
レジスタンス:
131.85円(200時間移動平均)
132.49円(01/12)
132.87円(01/11)
サポート:
128.86円(01/12)
128.64円(22/06/03)
127.50円(22/05/31)
主要指標 終値
今日の為替ウォーキング
今日の一言
シンプルさは究極の洗練である-レオナルド・ダ・ヴィンチ
Wouldn't It Be Nice
世界の主要経済圏では、所得から消費者物価上昇率を差し引いた「実質所得」がマイナスになっている。給料は変わらないのに物価が急上昇しているからだ。実質所得の落ち込みぶりは激しく、不況時にしかみられないような水準まで落ち込んでいる。
日本では2022年11月の実質賃金が前年同月比マイナス3.8%となった。2014年5月以来、8年半ぶりの落ち込みだ。実質賃金の前年割れは8カ月連続となる。食品や光熱費など物価の上昇に対して政府・日銀が十分対応していないとの指摘もある。
しかし、中央銀行はエネルギー価格上昇が生むインフレをコントロールすることはできない。日銀は油田を持っていないのだ。したがってインフレを抑制するためには「需要を減らすこと」が日銀にとって唯一の選択肢となる。
例えば自家用車の運転の自粛を求め公共交通機関の利用を促進させる、あるいは節電や工場の休業を要請するなどだ。しかし、実質所得がすでに不況レベルにあるときに、需要を減らしすぎるのは危険な戦略である。日銀は経済成長かインフレ抑制かの政策ジレンマに悩んでいる。
エネルギー節約という意味では、WFH(在宅勤務)も効果がある。一般的な会社の仕事場は、平均すると1日約5時間しか使用されていないが、照明や冷暖房はそれよりもはるかに長時間使用されている。週に3日自宅で仕事をすることで、欧州では1日あたり50万バレルの石油を節約できるという。
WFHは、通勤時間を業務の時間に使うことができて効率的だけではない。子育て中の女性にとっては、通勤時間を気にすることなく、自分のスキルに見合った仕事を探すことが可能になる。長期的視野に立った場合、現金支給よりもはるかに少子化対策として効果的だ。
今週の 注目経済指標
今週の注目テクニカルレベル(ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円)
2022年 ドル/円データ
(荒地 潤)
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