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2024年分の源泉徴収票はいつもと違う?!確認しておきたい「定額減税」について

トウシル / 2025年1月11日 11時0分

2024年分の源泉徴収票はいつもと違う?!確認しておきたい「定額減税」について

2024年分の源泉徴収票はいつもと違う?!確認しておきたい「定額減税」について

源泉徴収票はしっかりと見ていますか?

 新年あけましておめでとうございます。2025年も、個人投資家の皆さまへ有益な税金に関する知識・情報を提供してまいります。引き続きよろしくお願いいたします。

 新年1回目は、2024年分の源泉徴収票について取り上げます。

 会社勤めの方などは、2024年分の給与所得の源泉徴収票をすでに受け取っているか、近々受け取ることになると思います。

 源泉徴収票には、給与収入、源泉徴収税額、社会保険料控除、生命保険料控除、地震保険料控除の額や、基礎控除、配偶者(特別)控除、扶養控除など、年末調整で加味される各種控除額が記載されています。2年目以降の住宅ローン控除についても、該当のある方は記載がされています。

 源泉徴収票は、毎月の給与や賞与に加え、年末調整の結果が反映されています。この年末調整の際、扶養控除申告書や保険料控除申告書など、いくつかの書類とその添付資料を会社に提出していると思いますが、会社はその情報に基づいて年末調整をしています。

 従って、源泉徴収票をよく見て、誤りや漏れに気づいた場合はできるだけ早めに会社の経理担当者などへ伝えるようにしましょう。年末調整は1月末まではやり直しができることになっていますが、できるだけ早く伝えた方が良いでしょう。

2024年分の源泉徴収票のみに記載されている文言とは?

 さて、源泉徴収票を見ると、上記に記載した給与収入や源泉徴収税額、社会保険料の額などは枠に囲まれた上部に記載されています。

 そしてその下に「摘要」というスペースがあることが分かると思います。実はこの摘要欄に、2024年分の源泉徴収票のみに記載がある文言があります。

 それが「源泉徴収時所得税減税控除済額 ×××円、控除外額 ×××円」
という部分です。

「給与等の源泉徴収事務に係る令和6年分所得税の定額減税のしかた」14ページ

「給与等の源泉徴収事務に係る令和6年分所得税の定額減税のしかた」14ページ

 このうち、「源泉徴収時所得税減税控除済額」というのは、年末調整において定額減税により所得税額から控除された金額のことです。

 そして「控除外額」というのは、年末調整において定額減税で控除できなかった金額のことです。

 なお、「源泉徴収時所得税減税控除済額」と「控除外額」を合計すると、その人が定額減税で控除されることができる金額が分かります。

摘要欄の定額減税に関する具体的な記載例

 例えば「本人」「配偶者(給与収入50万円)」「高校生の子」「中学生の子」という4人家族であれば、定額減税額は「3万円×4人=12万円」となります。

 この人の源泉徴収票が
「源泉徴収時所得税減税控除済額 120,000円 控除外額 0円」
となっていれば、年末調整において定額減税の適用を満額受けられていることが分かります。

 例えば
「源泉徴収時所得税減税控除済額 67,000円 控除外額 53,000円」
となっている場合は、年末調整で12万円のうち6万7,000円は引いているが5万3,000円は引けずに残っていることを表しています。

 この場合、源泉徴収票右上の「源泉徴収税額」はゼロ円になっているはずです。

 引ききれないケースで多いのが、扶養親族の人数が多いが給与収入が高くない、住宅ローン控除ですでに所得税額を全額引ききっている、といったものです。

 なお、源泉徴収票の摘要欄にそもそも「源泉徴収時所得税減税控除済額」と「控除外額」がない、という人もいると思います。例えば次のようなケースが該当します。

  • 乙欄で源泉徴収がされている
  • 年末調整をせず退職した人
  • 給与収入が2,000万円超のため年末調整の対象外

 これらの方については、確定申告により定額減税を加味して税計算を行うこととなります。

定額減税の対象人数が正しいかどうか確認

 まず確認したいのは、「源泉徴収時所得税減税控除済額」と「控除外額」の合計額です。

 定額減税は1人当たり3万円で、家族を扶養している場合は、扶養している家族の分も受け取ることになります。

「本人」「配偶者」「高校生の子」「中学生の子」の家族構成で例えると、フルタイムの共働きで配偶者の給与収入が600万円の場合、配偶者は配偶者自身の年末調整で3万円の定額減税の対象となります。そして「本人」「高校生の子」「中学生の子」の3名分、9万円が本人の定額減税の対象となるのです。

 もしご自身が把握している定額減税の対象人数と、摘要欄に書かれている「源泉徴収時所得税減税控除済額」と「控除外額」の合計額を確認し、齟齬(そご)があるのであれば、会社の経理担当者の方に確認してみるのがよいでしょう。

控除外額に金額の記載がある場合はどうすればよい?

 控除外額に金額の記載がある方は、年末調整だけでは定額減税を引ききれていないことになります。

 ではその場合、何か自分で対応をする必要はあるのでしょうか?

 国税庁から発表されている「令和6年分所得税の定額減税Q&A(概要・源泉所得税関係【令和6年12月改訂版】)」には、次のような記載があります。

「源泉徴収票の『控除外額』は、所得税及び個人住民税の定額減税と併せて行われる各種給付措置の一つである『調整給付』(所得税から定額減税で引ききれないと見込まれる人への給付)のうち、令和7年に実施する不足額給付の額を算出する際に用います。

 ただし、扶養親族に該当する場合や、令和6年夏以降に市区町村から定額減税で引ききれないと見込まれるおおむねの額の支給がある場合などにおいて、『控除外額』に記載された金額と不足額給付の額は必ずしも一致するものではございません。」

 つまり、2025年にこの控除外額につき、給付金として支給されるということです。支給方法などは、今後各自治体から各自に連絡が来るものと思われます。

 なお、ご自身が誰かの扶養親族になっている場合は扶養している人の定額減税の対象なので控除外額の給付はないこと、そして2024年夏以降に行われた調整給付で受け取った金額がある方は、それを差し引いた残額のみが給付されることになります。

(足立 武志)

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