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崖っぷち「ぐるなび」楽天頼みで復活期す危うさ 出資比率16%弱でも「楽天ぐるなび」へ名称変更

東洋経済オンライン / 2023年11月15日 7時0分

グルメサイトで競合する「ぐるなび」と「食べログ」だが、近年はSNSなどで飲食店を探す動きが拡大している(写真:各社ウェブサイト)

外食需要が急回復する中、グルメサイトでは明暗が分かれている。「食べログ」が好調な一方、苦戦する「ぐるなび」は10月に「楽天ぐるなび」へサービス名を変更したばかり。いったい、何が起きているのか。

【ぐるなびの業績をグラフで見る】売上高の推移、コロナ後に「食べログ」が「ぐるなび」を逆転した

ぐるなびが11月1日に発表した2024年3月期中間決算(4~9月期)は、売上高が前年同期比3.6%減の56億5200万円となった。2023年度通期では売上高が同11.4%増の137億円を見込んでおり、年末年始の宴会需要で巻き返しを狙う。

営業損益は7300万円の赤字となり、前年同期の赤字16億円から大幅に縮小した。協業先企業へ社員を大量出向させるなどして人件費削減を進めるが、通期でも7億円の営業赤字となる見通し。2021年3月期の営業赤字74億円から大幅に改善するとはいえ、4期連続で営業赤字に沈むことになる。

ぐるなびは3期連続で多額の赤字を計上したことで、財務内容が悪化している。2020年3月末に187億円あった利益剰余金は、2023年9月末には2.5億円まで“蒸発”した。

同社は無借金の強固な財務体質で知られたが、2021年に筆頭株主の楽天グループなどから第三者割当増資で33億円を調達。2022年12月にはオプティムと資本業務提携し、3億円を調達した。税金負担を軽減するために資本金を23億円から1億円への減資も行った。時価総額は2016年の約1300億円から、直近は約170億円まで沈んでいる。

「定額課金」「居酒屋」に依存

一方、カカクコムが運営する食べログの回復力は際立っている。11月7日に発表した2024年3月期中間決算(4~9月期)は、食べログ事業の売上高は前年同期比20.5%増の130億3600万円となった。食べログ事業の損益は開示されていないが、同事業や価格比較サイト「価格.com」を含むセグメント利益は同5.4%増の110億円と好調だ。

食べログと比べると、ぐるなびの回復スピードは明らかに遅れている。大きな差がついた背景には、大きく2つの理由がある。

1つ目が両社の収益構造の違いだ。グルメサイトの収益源は主に、飲食店の紹介や写真掲載などのサービスを提供することによる月額固定の販促サービス手数料と、飲食店がサイトのネット予約機能を経由して予約を獲得した人数に応じて従量課金する予約手数料に分けられる。

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