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「ぐるなび」と「食べログ」で分かれた明暗。“4年前は互角”も大差がついてしまったワケ

日刊SPA! / 2024年4月4日 8時53分

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© Transversospinales | Dreamstime.com

 中小企業コンサルタントの不破聡と申します。大企業から中小企業まで幅広く経営支援を行った経験を活かし、「有名企業の知られざる一面」を掘り下げてお伝えしていきます。
 コロナ禍で外食産業を取り巻く環境が激変し、グルメメディアも多大な影響を受けました。長らくライバル関係にあった「ぐるなび(楽天ぐるなび)」が「食ベログ」に大きく水をあけられる結果となったのです。

 この差は消費動向とも関係があり、逆転するのは簡単ではありません。

◆ぐるなびの売上はコロナ前の4割まで縮小

 ぐるなびの2023年4-12月の売上高は前期比0.8%減の88億8600万円でした。とにもかくにも売上高が回復しません。2024年3月期通期の売上高を130億円と予想しています。

 コロナ禍を迎える前の2019年3月期は327億円ありました。日常を取り戻した今でさえも4割程度なのです。

 食ベログの2023年4-12月の売上高は204億5100万円で、前年同期間の1.2倍。2019年4-12月と比較しても3%上回っています。食ベログはコロナ禍を乗り越えて完全に回復しました。

 2社の売上規模は近いところにありました。2020年4-6月における売上高は、食ベログが17億3500万円で、ぐるなびが17億8300万円と、ぐるなびが僅かに上回っている状態。

 しかし、2023年10-12月は食ベログが74億1500万円、ぐるなびが32億3400万円です。ぐるなびは食ベログの4割程度まで縮小してしまいました。

◆全盛期は「有料加盟店舗」が6万店を超えていたが…

 グルメメディアの収益は、飲食店からの広告費に多くを依存しています。

 食ベログは2023年12月末時点のサービス契約店舗数が4万9000店でした。ぐるなびはストック型有料加盟店数が3万3000店です。全盛期のぐるなびは有料加盟店舗数が6万店を超えていました。コロナ禍による激しい減少は収まったものの、下げ止まっただけであり、回復の道は見えません。

◆食ベログの業績が安定している理由

 ぐるなびは宴会ができる飲食店に強みを持つ一方、食ベログはレストランやカフェ、焼肉店など様々な業態を扱っているというメディア特性があります。ぐるなびの不調は、宴会需要が減退したことで居酒屋店を中心に加盟店舗数が減少したことに起因しています。

 日本フードサービス協会によると、2024年2月の居酒屋店の売上高は、2019年同月比で7割にも達していません(「データからみる外食産業」)。居酒屋店の稼ぎ時である2023年12月においても、2019年比で同じく7割に届かず、改めて宴会需要が縮小したことを知らしめました。

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