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「未婚者は"幸福度が低い"」調査の裏側にある真実 果たして「結婚すればしあわせになれるのか?」

東洋経済オンライン / 2023年11月16日 11時30分

果たして、結婚すればしあわせになれるのでしょうか?(写真:KOTA@58/PIXTA)

「結婚すればしあわせになれる」――。

【図表で見る】未婚が既婚より不幸なのではない 「男女・年代別の未婚者の幸福・不幸人口」

そんな言葉が使われることがあります。確かに、恋愛至上主義時代と呼ばれた1980年代は、テレビでも映画でも小説でも恋愛物が大流行し、それらの物語のラストシーンは主人公が結婚をするという形で「めでたし、めでたし」となるパターンが王道でした。結婚のことを「ゴールイン」と表現したのもそれらの影響でしょう。

しかし、果たして「結婚すればしあわせになれるのでしょうか?」

既婚者のほうが未婚者より幸福度が高い傾向だが…

実際に、既婚者と未婚者とでそれぞれの幸福度を調査すると、男女年代別にかかわらずすべて既婚者のほうが未婚者より幸福度は高いものになります(参照:『際立つ「40~50代未婚男性」幸福度の低さの背景』)。これは、日本に限らず世界的に見てもそうで、ほぼ既婚者のほうが未婚者より幸福度が高い傾向にあります。

しかし、だからといって、短絡的に「結婚すればしあわせになる」とは言えません。少なくとも、「結婚すればしあわせになる」という因果はないからです。

実は、皮肉にもこの「結婚すればしあわせになれる」という言葉そのものが大いなる呪いの言葉になってしまう場合があります。

結婚に限らず、「いい学校に入ればしあわせになれるはず」「いい会社に就職すればしあわせになれるはず」というのも同様です。もちろん、いい学校やいい会社に所属することで幸福度が高まることはあるでしょう。しかし、いい学校やいい会社への所属がなければしあわせになれないということではありません。

「〇〇になればしあわせになれるはず」という言葉が呪いにかわってしまうのは、本来因果のないことを因果であると勝手に誤認してしまうことで、「いい学校やいい会社に入れなければしあわせになれない」と自分自身を追い込んでしまうからです。

結婚としあわせとの関係についていえば、「結婚した人がしあわせになっている」のではありません。「もともと、しあわせな人が結婚している」のです。因果は逆なのです。

もともと幸福な未婚が結婚して既婚になっている

未婚者の年代別の幸福・不幸の割合だけを見ると、20代より40~50代の幸福率が低く、未婚のまま中年を過ぎると不幸人口が増えるかのような印象を与えてしまいますが、実数でみると違います。

男女別各年代別の幸福率と不幸率を、2020年国勢調査(不詳補完値)の未婚人口を掛け合わせることで、未婚者の幸福人口と不幸人口が推計できます。

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