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「結婚しないと老後は孤独」という発想の落とし穴 結婚関係なく「3人に1人は60歳で独身」という現実

東洋経済オンライン / 2024年4月13日 11時40分

(写真:プラナ/PIXTA)

「ずっと結婚しないままでいると、若いうちはいいけど老後は一人ぼっちで寂しくなるよ」という声が特に既婚の高齢者から寄せられます。

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確かに、結婚し子や孫に囲まれて過ごす老後と比較すれば、一人のままで暮らす人の生活は、客観的に見て「寂しい」ものと映るのかもしれません。実際、生涯未婚の人はやがて親も他界し、会社を定年退職した後は他者とのつながりもなくし、終日誰とも会話することのない日々が続く人もいます。

結婚したとしても「老後一人ぼっち」に

しかし、「結婚すれば一人ぼっちにならないか」といえば、必ずしもそうではありません。たとえ、結婚したとしても、配偶者との離婚で一人に戻る可能性もあります。離婚だけではなく、仲睦まじい夫婦であっても老後の配偶者との死別は避けられません。必ずどちらか一方が先に亡くなり、残されたほうは一人になってしまいます。

つまり、有配偶者であっても、生涯未婚者と同様「老後一人ぼっち」になる可能性があります。そして、その際留意したいのは、「一人ぼっちの寂しさ」に弱く、孤独耐性がないのは、女性よりも男性のほうです。

内閣府の実施した2023年「孤独・孤立の実態把握に関する全国調査」によれば、60代において「孤独を感じる」割合は、有配偶男性は15%であるのに対し、未婚男性は37%、離別男性は33%と、有配偶か否かで倍以上の開きがあります。

ちなみに、同じ60代女性の場合は、有配偶13%、未婚19%、離別22%と配偶関係でそれほど大きな違いはありませんが、男女とも共通しているのは「一人が寂しい」と思うのは、ずっと未婚でいた場合と同等並みに、一度結婚した後にまた一人に戻ったほうが強く感じる場合があるということです。

2020年の国勢調査において、生涯未婚率(50歳時未婚率)は、男28.3%、女17.8%となり、これは国勢調査の始まった1920年以来過去最高記録となりましたが、未婚だけではなく離別や死別も含めた独身の割合についてはあまり話題になりません。

そこで今回は、還暦独身率(60歳時点における未婚離別死別合計の独身率)について計算してみます。計算式は、50歳時の未婚率を計算する生涯未婚率同様、55〜59歳の独身率と60〜64歳の独身率を平均したものとします。

それによれば、2020年の国勢調査のデータでは、還暦独身率は男性29%、女性は27%となりました。これは生涯未婚者も含めた数字ですが、未婚者を除外した婚歴有(離別死別)のみ独身率で見ると、男性10%、女性17%と女性のほうが上回ります。男女の数字の差異については後述します。

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