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チョコザップ急拡大の裏で身銭を切った瀬戸社長 「1年強で1000店超」の出店を支える覚悟と自信

東洋経済オンライン / 2023年11月30日 11時0分

本格展開から1周年を迎えた今年9月の会見で、瀬戸健社長(中央)は「国内フィットネスジムで会員数日本一を達成した」と宣言した(写真:RIZAPグループ)

高級ブランド店がひしめく東京・銀座。100円ショップ「ダイソー」やディスカウントスーパー「オーケー」に並んで、新たな低価格店がこの地区に進出した。月額2980円(税抜き)の廉価ジム「chocoZAP(チョコザップ)」だ。

【チョコザップ外観】安さを売りに出店を増やし、11月には1160店、会員数101万人を突破

商業施設「銀座ファイブ」の2階にある店舗は20時閉店で、昼間人口の多い夕方までが利用のピークタイム。店舗をのぞくと、窓際に3台のランニングマシンがあり、若い女性が走っている。ほかには腹筋マシンなど、9種類の器具が1台ずつ置かれている。

同店は今年8月に出店。チョコザップの都内店舗は、主要沿線の住宅地に隣接し24時間営業を行う店が多い。だが、地代の高い山手線内側の店舗も増えてきた。

エニタイムフィットネスを抜いた

チョコザップは、RIZAPグループ(ライザップ)が2022年7月から展開を始めた新業態だ。最大の売りは料金の安さにある。

国内で小規模・24時間営業ジムの先駆けである「エニタイムフィットネス」だと、銀座が位置する中央区の店舗の月額会費は7000~8000円台。チョコザップは、スタッフのいない完全無人店でシャワー設備もないといった違いがあるとはいえ、半額以下だ。

気軽に利用できることも訴求ポイントだ。着替えや靴の履き替えは不要。1日5分の運動でいいと甘言をつぶやき、セルフエステやセルフ脱毛、セルフネイルまで提供している。2カ月の標準プランで約30万円かかり、パーソナルトレーナーが食事指導までするボディーメイクジムの「ライザップ」とは雲泥の差だ。

チョコザップの事業規模は11月中旬で1160店、101万会員となった。対するエニタイムフィットネスは、9月末で1100店、81.1万会員。アメリカ発祥で13年をかけて日本に店舗網を築いたエニタイムフィットネスを、1年強で追い抜いた勢いは驚異的といえる。

だが、まだまだ止まらない。2025年度中に2000店まで、さらに増やす計画だ。

集客のための広告費を含め、2025年度までの4年間で500億円をチョコザップに投じると、ライザップは公表している。1店舗当たりの出店費用は、1300万円前後のようだ。

主な原資は銀行からの借り入れ。2000店体制に近づくにつれて、既存店舗からの利益で新規出店費用が賄えるようになる算段だ。

ただ、その好循環に入るまでは銀行からの借り入れだけに頼れない。そこでライザップの創業社長である瀬戸健社長も身銭を切っている。

資産管理会社から55億円を融資

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