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伊藤園「ボトル缶コーヒー」値上げしても好調の訳 ボスやジョージアなど強豪商品を上回る勢い

東洋経済オンライン / 2023年11月30日 7時50分

タリーズ飲料の旗艦商品「バリスタズブラック」はボトル缶コーヒー分野で販売首位(記者撮影)

伊藤園がコンビニやスーパーなどで販売する「TULLY’S COFFEE」(タリーズコーヒー)ブランド飲料の売り上げが絶好調だ。

【図解】コーヒー飲料市場が縮小基調の中でもタリーズ飲料の販売は好調

2022年度の販売数量は、過去最高の1600万箱を突破。2023年度に入ってからも勢いは衰えず、上半期(各5月〜10月期)ベースで過去最高を更新している。

伊藤園マーケティング本部コーヒーブランドグループの相澤治ブランドマネジャーは、「新型コロナや原料高騰の影響でコーヒー市場は激変しているが、当社のタリーズ飲料の売り上げは好調だ」と胸をはる。

タリーズ飲料のブランド全体の中では、ボトル缶(キャップ付きの缶)コーヒーが販売数量の約8割を占める。コーヒー市場における容器別の売り上げを見ると、ボトル缶コーヒーではボスやジョージアなど強豪ブランドの商品を抑え、旗艦商品「バリスタズブラック」が6年連続で首位となっている。

コーヒー飲料の売り上げは減少

国内のコーヒー市場は主に、家庭用や業務用の「レギュラーコーヒー」、カフェなどの「喫茶」、そして「コーヒー飲料」の3つに大別される。「コーヒー飲料」とは、缶やペットボトル、カップなどの容器に密封された飲料を指す。

コロナ禍におけるリモートワークの増加でレギュラーコーヒーは成長基調にあり、昨今の人流回復により喫茶も回復を見せている。一方、コーヒー飲料は縮小傾向をたどる。2019年まで9000億円超だったコーヒー飲料の売上高は、コロナによる外出抑制の影響から2020年に約8000億円まで落ち込み、以降も大きな回復は見せていない(売上高は伊藤園調べ)。

2022年以降、コーヒー豆やアルミなどの原材料の高騰を受け、飲料各社が相次いでコーヒー飲料の値上げを実施。これが「市場の低迷に拍車をかけている」(複数の飲料業界関係者)。

タリーズのボトル缶コーヒーも、値上げを余儀なくされた。バリスタズブラック(390ml)は、昨年10月と今年5月に価格改定を実施。元の希望小売価格が133円だったところ、二度の値上げを通じて現在は160円となっている。

20%もの値上げを実施したにもかかわらず、その後の販売ペースは落ちないどころか、むしろ伸長しているのだ。

タリーズ飲料は販売低迷からV字回復

伊藤園は2006年にタリーズコーヒージャパンを買収。カフェ事業では現在、770店舗超を運営している。

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