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損保ジャパンがビッグモーター問題で犯した「罪」 現役役員からも櫻田氏の引責辞任は必至の声

東洋経済オンライン / 2023年12月2日 7時0分

ビッグモーターは11月30日に保険代理店としての登録を取り消された(撮影:風間仁一郎)

事故車修理に伴う保険金不正請求問題をめぐり、11月30日に損害保険代理店としての登録を取り消された中古車販売大手ビッグモーター。

【写真】ビッグモーター問題を通じて、被害者や顧客を軽視した運営をしていたことが浮き彫りになった損保ジャパン

自動車を故意に傷つける器物損壊、整備記録の虚偽記載、保険契約の捏造など法令違反の限りを尽くしておきながら、金融庁が11月21日に実施した行政処分前の聴聞を欠席するなど、「ならず者」企業としての立ち居振る舞いは相変わらずの状態だ。

最終報告書で明らかにすべき疑問点

ビッグモーターは今夏まで、取締役会をまともに開かない、コンプライアンス(法令順守)担当の役員がいないなど、企業として体をなしていない状況だったが、その経営者を信じ込み、不正請求の片棒を担いでしまったのが損害保険ジャパンだ。

損保ジャパンの持ち株会社、SOMPOホールディングスの会長兼CEOである櫻田謙悟氏は今年4月まで、経済同友会の代表幹事を務めていた。まさに日本を代表する金融機関でありながら、ビッグモーターと同様にコンプラ意識が決定的に欠如した意思決定を繰り返したのは何故なのか。

10月10日に損保ジャパンが公表した「社外調査委員会による中間報告書」では、ビッグモーターに事故車の入庫紹介を再開するまでの内部のやり取りが詳細に記されている。その一方で、報告書にはさまざまな矛盾や伏せられている事実が多分にあり、問題の真因はなかなか見えてこない。

年内をメドに調査委がまとめる最終報告書と損保ジャパンが開く記者会見に向けて、明らかにすべき疑問点とは何か。今回の事案を振り返りながら、改めて整理していこう。

時計の針を昨年7月6日の午前11時に戻す。このとき損保ジャパンの社内では、白川儀一社長をはじめ総勢9人の役員および部長が非公式のミーティングを開いていた。議題は、5日後の7月11日に来訪するビッグモーターの兼重宏行社長(当時、以下同)への対応だった。

入庫再開の流れをつくった冒頭発言

しかし、議論は兼重社長への対応方針よりも、ビッグモーターへの入庫再開に流れていった。損保ジャパンは全国的な保険金不正請求の疑いを強め、ビッグモーターの24工場に対して事故車を紹介(入庫)することを6月15日から停止していた。

入庫再開の流れをつくったのは、首都圏営業担当としてビッグモーターとの窓口になっていた中村茂樹専務(現在は監査役)の発言だ。

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