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「女性たちの貧困」三浦貴大が感じた驚くべき現実 「パパ活はテニス部の活動費のために」のリアル

東洋経済オンライン / 2023年12月8日 12時0分

三浦:僕が(彼女を記事にする)ライター﨑田を演じたこともありますが、彼女を叩く気持ちにはならなかったですね。﨑田は親がリストラされたのは彼女のせいではなく、彼女が望んで貧困になったわけではないと考えますが、実際そうですよね。みんなと同じようにテニス部で楽しみたいというささやかな望みさえ責めるのかと﨑田は言いますが、僕の気持ちもそれに近いかもしれません。自分だけじゃどうにもならないことがありますよね。

――ドラマの中で印象に残っている場面はありますか?

三浦:趣里さん演じる編集者・摩子が取材を重ねながら、自らの貧困に気づいていくところですね。摩子自身シングルマザーでお金も時間も余裕がなくて、実は自分も貧困の瀬戸際にいる人なんだって初めて気づく場面です。

そもそも世間から貧困だと認識される人も、たぶん自分自身は貧困だと思って過ごしていないような気もするんです。自分に近い状況の人を見て、初めて自分も貧困と気づいたり。確かに、自分の学生時代を思い起こすと周囲にこういう人いたよねと思ったり。でも当時は周りから見たらそれが貧困だと思ってなかったけど、実は自分の周りにも貧困はあるんだと実感しました。

――ドラマの中で、摩子のお父さんについて、役所から扶養依頼の通知が届きました。しかし、摩子が﨑田に話をすると「父親を捨てろ」と発言する場面もありました。

三浦:人の家族に対してかなり踏み込んだ発言かもしれないですけど、﨑田は今までそうして援助した人たちがどんどん堕ちていく姿を見ているから、そうした発言が出たんでしょうね。

もし扶養依頼が届いた父親のことを捨てる・捨てないといった内容を記事に取り上げたとしたら、先ほどのテニス部の記事のようにたくさんの反対意見が殺到する気はするんです。でも、そうした書き込みをする人って、意外と僕みたいな人なんじゃないかなって思うんですよね。

僕は両親健在で今も元気で仕事もしています。原作を読むまでは貧困について今よりわかっていなかったですし、本を読んで初めてこんなこともあるんだって知ったくらいで。そうした環境にいる人が何も知らずに、または勝手な正義をふりかざしてコメント欄にネガティブな書き込みをしているのかもしれない。同じ記事を読んでも、受け取る側の状況も影響するものだと思います。

――共演者について。趣里さんとは何度か共演されていますが、今回の趣里さんのお芝居を見てどんなことを思われましたか。

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