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歌舞伎町で1泊10万円「高級ホテル」は成立するか? 68歳総支配人が説く国内ホテルの「生き残り策」

東洋経済オンライン / 2023年12月9日 7時0分

20〜38階に入居しているグルーヴの稼働率は7〜8割程度、平均客室単価は3万5000円だ。客室単価は想定より高くて驚いている。宿泊客の85%以上がインバウンドとなっている。アジア圏だけではなくて、欧米人もいて幅広い宿泊客が利用している。

39〜47階のベルスターも稼働率が上がってきた。足元では40〜50%くらいで、客室単価は10万円を超えている。宿泊客の7割くらいは外国人で、3割が日本人となっている。海外の宿泊客は1週間以上などの連泊が多く、日本の宿泊客は1〜2泊の人が多い。

東京には外資系や国内系の歴史のあるラグジュアリーホテルが多い。そういったホテルと比べると、開業したばかりで知名度がない。だが、パンパシフィックホテルズグループと提携(ソフトブランド契約を締結)している。パンパシのネットワークを利用して、ブランドを崩さないようにしつつ、認知を獲得していきたい。

ビジネスミックスでは海外の宿泊客が多い。今後の販売戦略としては、海外営業などを行っていく。海外のトレードショー(見本市)などへ営業部隊が行っている。ベルスターは海外の個人旅行客、グルーヴは個人客に加えて団体客も取っていきたい。OTA(オンライン旅行予約サイト)からの予約も多い。

――改めて歌舞伎町という立地をどのように捉えていますか。

歌舞伎町の捉え方は日本人と外国人で違うと思う。私も歌舞伎町を通って、「ここで高級ホテルは成立するのか?」と思ったこともある。

しかし海外の宿泊客からは「ファンタスティック」と言われた。外国人にとって、新宿はなんでもあるアトラクティブ(魅力的)な街。ネオンがきれいで、ゴールデン街や思い出横丁はSNSで投稿されている。それらを求めて外国人は新宿を訪れる。ベビーカーを押してファミリー層が歌舞伎町を出歩いていたりする。

日本人には「歌舞伎町の壁」を感じる

一方で日本人には、日々歌舞伎町が(トー横キッズなどの)ニュースで取り上げられていることもあり、「歌舞伎町の壁」を感じる。ホテルの中にいれば別世界だが、行きと帰りは歌舞伎町を通らないといけない。

――レストランの動向はいかがでしょうか。

景色の良さなどをアピールして足を向けてくれるようにしていきたい。また逆に歌舞伎町の壁があるからこそ、「隠れ家でいいね、おいしいね」と言ってもらえる。そういったお客様に知り合いの方などを連れてきていただいて、知る人ぞ知るレストランになっていきたい。

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