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マイクロソフトのAI施設率いる「日本人」は何者か 世界5カ国で展開する「AIラボ」総責任者を直撃

東洋経済オンライン / 2023年12月11日 7時40分

親が20年以上フランスに住んでいた関係から、リヨンで生まれた。その後、17年間をフランスで過ごし、大学は関西学院大学の総合政策学部メディア情報学科に通った。もともと映像が好きで、大学時代からテレビ大阪で番組を作らせてもらうなど、さまざまな経験を積んできた。

卒業後は放送機器メーカーの日本オフィスで数年間勤務し、本社への異動を機にアメリカで働き始めた。

放送機器と言っても、カメラからスイッチャー、編集機器までいろいろあるが、当時はそれらを1本のケーブルでつないでいた。できるだけ早く映像を仮編集するためにも、クラウドへ移行することの重要性は皆理解している一方で、少しでもオンエア中にテレビ画面が真っ暗になれば大事になる。そのため、所属していた企業もまだ「インターネットはちょっと危ない」という、保守的な時代だった。

ただ、私は新しいことがものすごく好き。ネットフリックスも登場する中、クラウドで映像の世界がどう変わっていくのか、すごく気になっていた。そんなとき、ちょうどヒューレット・パッカード・エンタープライズが新しいメディアサービスの部署を開設すると知り、移籍した。

ヒューレット・パッカード・エンタープライズでは、映像をクラウド上で扱えるサービスを作っていた。その時期に出会ったのが、マイクロソフトの「Azure Media Services」だった。

これは莫大にアップロードされた素材の中から、AIを活用することで、ほしい部分だけを切り取ってくれるというもの。「これ、めちゃくちゃ面白い!」とAIの世界に引き込まれ、その流れでマイクロソフトに入社し、半年ほどでラボの担当になった。

OpenAI「めっちゃおもろいやん」

――山﨑さんが入社した2019年といえば、マイクロソフトがOpenAIへ出資したタイミングです。AIや先端技術の重要性が高まる中で、なぜこのポストに山﨑さんが選ばれたのでしょうか。

前職の終盤では、グローバルのメディアサービスをマネジメントしており、その中にラボがあった。グローバルで収支を予算内に抑えつつ、外部パートナーとも良好な関係を保つなど、ラボにも必要なノウハウがある。それに着目してのオファーだったようだ。

実は最初、ラボの担当を受けるかどうかは悩んでいた。というのも、入社直後から所属部署でOpenAIとのパートナーシップに関わることとなり、「これ、めっちゃおもろいやん。すごいでっかいインパクトになるんじゃない?」という手応えがあったため、当時の仕事とラボを天秤にかけてしまった。

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