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NHKが「テキストニュース」を次々に閉鎖する懸念 「放送と同様」でネット受信料を取るつもり?

東洋経済オンライン / 2023年12月15日 8時0分

もちろん、LINEニュースが読まれていても有料になったら読者は離れるだろう。だからそれとは別にあらゆる接点作りをするべきなのだ。NHKにお金は払いたくないけど、あそこのニュースは読んでいるし、こっちから得る情報は欠かせない。そんなサービスを積み重ねてようやく月数百円くらいなら払ってくれる可能性が出てくる。「NHKプラス」に加えどんな接点作りができるか――。ネット受信料の道はそうやって切り開くしかない。

新聞協会に日和ってテキストニュース廃止に走るのは、本末転倒なのだ。

さらに加えて言うと、そういう具体的努力と共に、NHKは自分たちが公共メディアとしてどんな貢献をこれからしていくか、丁寧に説明しなければならない。そのためにはまず局内で議論すべきだ。そしてその議論には国民にも加わってもらう。そんな風に人々を巻き込んで、一緒に未来像を考え、その結論を共有していく。そのロードマップ作りこそが今のNHKには必要だ。

NHKと新聞業界は一緒に倒れるか

もはやテレビ局は電波利権にあぐらをかいて上から目線で番組を提供してあげてますというスタンスでは生き残れない。人々はどんどん放送から離れているのだから。「放送と同様」ではなく、放送とは関係ないNHKの存在価値を自ら問い直し、国民にも意見を求め、本当に必要な情報の提供を約束する。そうしないと、公共メディアなんて言葉は終わるのだ。それはもう、遠い未来ではない。数年先には、一斉に国民に見放される可能性だって高い。

だから、公式な会議の裏で新聞協会と「テキストニュースは撤退するのでNHKプラスの必須業務化はやらせてほしい」などとこっそり握り合っても無駄だ。新聞協会より、ネットを通じて国民に向き合わなければそんな裏交渉に何の意味もない。

新聞協会も、いい加減「公共放送WG」で反対のための反対論を展開するのはやめたほうがいい。もう誰の支持も得られない。毎回それに付き合わされる有識者たちは新聞協会に辟易している。それより、NHK NEWS WEBに地方紙デジタル版の記事へのリンクを貼るなど、互いに協力してまっとうな言論空間をネットで築く相談をしてはどうだろう。そうでもしないと、NHKがネットでニュースをやめても、いずれ新聞は滅びる。このまま進むと、NHKと新聞業界は一緒に倒れるだけだろう。

境 治:メディアコンサルタント

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