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市販の「総合感冒薬・痛み止め」購入時の落とし穴 薬剤師のアドバイスで「健康被害を逃れた例」も

東洋経済オンライン / 2023年12月15日 8時0分

②「どの薬がいいかわからないから、とりあえずいろいろな症状に効く薬を買っておこう」の落とし穴

ドラッグストアのかぜ薬のコーナーに行くと、さまざまな種類の薬が置いてあります。

パッケージのキャッチコピーを読んでみても、どれが自分の症状に一番あっているのかわかりづらく、とりあえず鼻水・くしゃみ、のどの痛み、咳、熱など、さまざまな症状に効果がある薬(総合感冒薬)を選んでしまいがちです。

「いろいろな症状に効果があるということは、配合されている成分の種類も多くなります。その分、副作用や相互作用 (薬同士の飲み合わせで薬の作用や副作用が増したり、弱まったりすること)などのリスクが高まります。また、高血圧、糖尿病などの持病で治療している場合、服用できない成分が含まれていることがあるので、注意が必要です」(鈴木さん)

と挙げてくれたのは、総合感冒薬のパブロンエースPro-X錠をレジに持ってきた40代男性の例です。

男性は「微熱、咳、鼻水の症状がある」と言います。パブロンエースPro-X錠のパッケージを見ると、確かに「つらいのどの痛み・せき・鼻みず・熱に」と書いてあります。

服用に問題はなさそうに思えますが、鈴木さんが持病を尋ねると「高血圧の治療をしている」とのこと。そこで別の薬であるパブロンSゴールドW錠をすすめました。

「パブロンエースPro-X錠は、高血圧の診断を受けた人は服用できません。なぜならこの薬には交感神経を刺激し、血管を収縮させて鼻づまりを改善する成分『塩酸プソイドエフェドリン』が配合されていて、血圧を上昇させるおそれがあるためです。そこで、同じパブロンシリーズでも、プソイドエフェドリンが配合されていないパブロンSゴールドW錠をおすすめしました」(鈴木さん)

持病のある人のかぜ薬の選び方

治療中の病気がある人が、かぜの症状をOTC医薬品でセルフケアする場合は要注意です。

①特に気になる症状に対してピンポイントで効果がある薬を選ぶ、②複数の症状がつらく、総合感冒薬がほしい場合は薬剤師などの医療従事者に相談する、といった対処が必要。

副作用などのリスクを回避するように心がけることが大切です。

今後は、さらにOTC医薬品が購入しやすくなりそうです。

厚生労働省では現在、OTC医薬品の販売方法などに関する話し合いが行われており、これまで対面での販売が求められていた要指導医薬品も、オンラインによる説明があれば購入できるようになるかもしれません。

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