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データでわかる「万博開催年の株価」の驚く結果 「せまる大阪万博」いい投資タイミングはいつか

東洋経済オンライン / 2023年12月15日 8時0分

ここまでの結果を整理しましょう。「万博の開催前年は株価が高く、開催年は株価が安い」というものです。なぜ、このような結果になるのでしょうか。

例えば、今回の大阪・関西万博を例にあげてみましょう。万博費用が膨らんでいることは足元で批判されています。しかし増大した費用は、裏を返すと建設需要が増えることにもつながります。建設工事が増えることは景気を刺激する要因にもなります。

さらに、万博の開催地の夢洲では2029年に統合型リゾート(IR:Integrated Resort)が開業予定となっています。万博が1つのキッカケとなり、観光への需要が一層、盛り上がることで、わが国が目指す観光立国の実現も見込まれます。

こうした万博への期待が開催前年に「株高」となって表れるのです。しかし一旦織り込まれた期待が、出尽くしてしまうことで開催年は株安になると考えられます。

このような大阪・関西万博にちなんだ株のジンクスを使った投資を考えるなら、例えば日経平均株価のインデックスファンドなどを使って。この年末の投資も考えられるでしょう。

さて、上表から開催年は株価が安くなる傾向が示されましたが、さらに開催年の株価を深ぼりして見てみましょう。

次の図は、大阪・関西万博でいえば、再来年に相当する開催年をより深く見た結果です。

万博開催後に株価はどうなる?

開催年を「開催前」「開催期間中」「開催後」の3つの期間に分けて、株価の動きを見ています。

「開催前」の騰落率は下落(赤字)が多くなりました。一方で、「開催期間中」と「開催後」は上昇(青字)が多く見られます。つまり、開催年をより細かく見ると、開催前までは株価は下げてしまいますが、実際に万博が始まると株価は反転上昇する傾向が強いということです。万博開催を契機に将来に向けた成長の期待を株価が織り込んでいくと考えられます。

ですので、万博にちなんだ株価のジンクスから投資タイミングについて、より深く考えるならば、この年末に投資するも、来年末に一旦は手仕舞うのですが、万博開催で再度、投資を考えていく姿勢がいいかもしれません。

吉野 貴晶:ニッセイアセットマネジメント 投資工学開発センター長

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