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ヤマト運輸の大幅遅延に「私たちができること」 物流2024年問題を前に消費者側の努力も重要だ

東洋経済オンライン / 2023年12月15日 17時30分

今回のヤマト運輸のトラブルが私たちに突きつけたのは、物流の逼迫さだ(写真:tarousite/PIXTA)

ヤマト運輸は12日、仕分けターミナル「羽田クロノゲート」における機器の一部故障が原因で、 東京都や千葉県の一部地域において、荷物の配達や、当該地域宛の荷物の預かりを停止していることを明らかにしました。その後、預かりは再開されましたが、疲弊する物流業界に思わず心配してしまった人も少なくないのではないでしょうか。

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物流危機の予兆のようにも思える今回のトラブル

ヤマト運輸の「羽田クロノゲート」のトラブルが話題になっている。機器が故障してしまい、東京の一部地域への配送が滞っているのだ。現在の状況では荷物の預かりに関しては、12月14日に再開している。

【写真】「輸送量(輸送トン数)の推移」を見ると…

現在は年末商戦のピークであり、さらに今年は大手企業を中心に年末賞与が増加した関係もあって、消費マインドが刺激された。読者の少なからぬ比率もECサイトなどで消費したに違いない。あるいは家族や近しい人向けにプレゼントを購入したかもしれない。

その中にあって、ヤマトのトラブルが私たちに突きつけたのは、物流の逼迫さだ。現在、「物流2024年問題」なる単語を聞いたことがある人は多いだろう。2024年から法令においてドライバーの時間外労働時間が年間960時間に制限される。

これはあくまで時間「外」だ。それであっても960時間に制限されることで影響が出る、ということは、既存ではどれくらい過重労働かを想像できるだろう。その制限によって、つまり運べなくなる。

ただでさえ、キャパがギリギリで、そのうえで2024年問題がやってくる。ヤマトの今回のトラブルは、どこか物流危機の予兆のようにも思える。

物流領域における生産性の向上や省人化が叫ばれている。そして、私たち“物流サービスを享受する立場”から何ができるか。これを考えるのが当稿の役割だ。

日本の物流の状況は? 輸送トン数は意外にも…

ところで、私は物流の状況についてインタビューを受けたり、個人的に質問をされたりする。そのときに「日本で運ばれている貨物は減っているんですよ」という。すると、印象とまったく違うからか、驚かれる。

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