1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 社会
  4. 社会

「アフリカに服送るな」怒る男に学んだお金の本質 アパレルブランド「CLOUDY」代表に教わったこと

東洋経済オンライン / 2023年12月16日 10時0分

銅冶勇人氏は、ゴールドマン・サックス証券を経てアパレルブランド「CLOUDY」を立ち上げ、アフリカ支援に精力的に活動している(画像提供:銅冶勇人氏)

「お金の本質を突く本で、これほど読みやすい本はない」

「勉強しようと思った本で、最後泣いちゃうなんて思ってなかった」

経済の教養が学べる小説『きみのお金は誰のため──ボスが教えてくれた「お金の謎」と「社会のしくみ」』には、発売直後から多くの感想の声が寄せられている。本書は発売1カ月半で10万部を突破したベストセラーだ。

著者の田内学氏は元ゴールドマン・サックスのトレーダー。資本主義の最前線で16年間戦ってきた田内氏はこう語る。

「みんながどんなにがんばっても、全員がお金持ちになることはできません。でも、みんなでがんばれば、全員が幸せになれる社会をつくることはできる。大切なのは、お金を増やすことではなく、そのお金をどこに流してどんな社会を作るかなんです」

今回は、ゴールドマン・サックス時代の後輩で、現在はアパレルブランド「CLOUDY」の代表としてアフリカ支援活動を続けている銅冶勇人氏から、田内氏が学んだ「お金と経済の本質」をお届けする。

面接で落とした彼から学んだ「お金と経済の本質」

ゴールドマン・サックス証券でのトレーダー時代、会社の新卒採用で1000人以上の学生と面接してきた。その中で、圧倒的な存在感を放っていた学生がいる。

【写真】銅冶氏と、彼がアフリカで経営する工場で働く人たち

グループ面接で「サイコロを2個転がしたときに一番出やすい数は何か?」という質問をしたとき、彼は「12です」と即答した。

もちろん不正解だ、統計学的には。

面接の場には、奇をてらった答えを言って目立とうとする学生が少なからずいる。僕は、「12を出すには2つとも6を出さなきゃいけないんだけど、本当に出やすいかな」と冷たく返した。

その学生は、笑顔を絶やさない胸板の厚い男だった。エントリーシートに、アメフト部と書かれていて妙に納得した覚えがある。

彼は物おじせずに身を乗り出すと、力強く主張を繰り返した。

「ここぞという場面で、自分は必ず6を出します」

僕は苦笑していたかもしれない。容赦なく彼を選考から落とした。

このときは、彼からお金と経済の本質を学ぶことになるとは思わなかった。そして、この「必ず6を出します」という言葉が、今の日本に一番足りないことだ。

彼の名前は、銅冶勇人(どうや・ゆうと)。小説『きみのお金は誰のため』でキーパーソンの堂本として登場している。

「堂本くん、遊びに来たで」

ボスが大きな声で呼びかけると、その男はこちらを向いて、「ちわっす」と陽気に答えた。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

複数ページをまたぐ記事です

記事の最終ページでミッション達成してください