力強さ戻った「鳥貴族」、一段成長への新たな焦点 全国1000店舗体制へ、アクセルを踏み込む
東洋経済オンライン / 2023年12月17日 7時40分
力強い回復力を見せた。
【図解】成長の原動力だった新規出店が鈍化、鳥貴族の店舗数は頭打ち傾向に
居酒屋大手「鳥貴族」を展開する鳥貴族ホールディングス(HD)は12月8日、今2024年7月期第1四半期(2023年8~10月期)の決算を発表した。売上高96億円(前年同期比33.6%増)、営業利益7.5億円(同約11倍)と、大幅な増収増益となった。
前期の同時期は、新型コロナウイルスの影響を大きく受けたことにより、売上高、営業利益ともに低調だった。一方で、今期はその影響が薄まり、客数が順調に増加。また、2022年以降、2度の値上げを実施したことが奏功し、採算が向上した。
結果、売上高と営業利益は、第1四半期時点で過去最高の水準となった。
業績計画は通期ベースで上振れ必至
第1四半期でたたき出した営業利益7.5億円は、同社の計画を大きく上回る水準だ。鳥貴族HDは営業利益について、今上期(2023年8月期~2024年1月期)が9.7億円(前年同期比168%増)、通期が18.6億円(前期比31.3%増)になると見込んでいる。
営業利益の進捗率は上期の計画に対し76.9%、通期の計画に対し40.3%に達しており、通期ベースでの業績の上振れは必至だ。
好決算を受け、週明けの11日には同社株価が急騰。前日終値比で501円高となる3335円をつけ、ストップ高となった。
業績結果をつぶさに見ると、8~10月累計の既存点売上高は前年同期比で28.3%増だった。客単価はほぼ横ばいで、値上げ効果が一巡したような形だが、客数が同28.4%増と全体を牽引したことがわかる。公式アプリを通じた販促や、旬の素材を生かした期間限定メニューが集客に貢献した。
さらに、際立つのが原価率の低さだ。鳥貴族HDの2023年7月期の原価率は29.9%。今第1四半期では前期より若干悪化したものの、30.4%と低い水準を維持している。
鳥貴族の原価率の低さは、他の居酒屋チェーンを運営する企業と比較すると明らかだ。
「串カツ田中」を展開する串カツ田中ホールディングス(HD)は今2023年11月期の第3四半期(2022年12月~2023年8月)時点で、原価率が37.6%。「鳥メロ」や「ミライザカ」などを運営するワタミは今2024年3月期上期(2023年4~9月期)時点で、原価率が42%だった。
鶏肉の大量購買が奏功
「鳥貴族は鶏肉の大量購買などによって原価を抑えることができたのではないか」。居酒屋チェーンを運営する競合企業の幹部は、こう語る。
-
- 1
- 2
この記事に関連するニュース
-
鳥貴族“全品370円均一”に値上げでも「原価率30%を守る」攻めの接客マニュアルとは
日刊SPA! / 2024年5月15日 8時52分
-
【株式会社ASNOVA】2024年3月期決算発表(証券コード:9223)
PR TIMES / 2024年5月14日 19時15分
-
「日本もITが国益に結びつくということに30年遅れて気が付いた」 - IIJ決算説明会で鈴木幸一会長がコメント
マイナビニュース / 2024年5月10日 18時7分
-
「ラーメン山岡家」株価9倍&最高業績でライバル日高屋を猛追 売上300億を目指す今期の計画とは
Finasee / 2024年5月9日 17時0分
-
2023年度決算は過去最高業績のしまむら、さらなる成長めざし新中計がスタート!
ダイヤモンド・チェーンストア オンライン / 2024年4月22日 20時59分
ランキング
-
1イオンの「幸せの黄色いレシート」キャンペーン。レシートを使って寄付したいけど、不良品を「返品」できなくなるの?「寄附」と「レシート保管」を両立させる方法を解説
ファイナンシャルフィールド / 2024年5月19日 5時10分
-
2飲むヨーグルトが「乳酸菌バブル」でジリ貧の理由 市場は逆転寸前、かつての人気を取り戻せるか
東洋経済オンライン / 2024年5月19日 7時20分
-
3ラーメン屋経営で地獄見たプロレスラーの気づき 川田利明が向き合う「お客様は神様です」の怖さ
東洋経済オンライン / 2024年5月19日 12時30分
-
4東京から新幹線…「新神戸」よりも、一駅先の「西明石」まで買った方がおトク!? JR往復割引「601キロ」のカラクリ
まいどなニュース / 2024年5月19日 8時2分
-
5広がるタッチ決済乗車は訪日外国人観光客対応か 話題の「二重価格」が鉄道・バスに導入される可能性
NEWSポストセブン / 2024年5月19日 7時15分
複数ページをまたぐ記事です
記事の最終ページでミッション達成してください