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一流選手はなぜボールが「止まって」見えるのか 大谷選手も活用する「あるアイテム」とは?

東洋経済オンライン / 2023年12月20日 18時30分

大谷選手だけでなく、試合中に顔の映像がアップで流れるアスリートがガムを噛んでいるシーンを、皆さんも見かけたことがあるのではないでしょうか。

私の所属する順天堂大学の医学部とスポーツ健康科学部では、2020年度から、千葉ロッテマリーンズの選手たちが年間を通してパフォーマンスを発揮できるための環境づくりに協力をしています。

その取り組みのなかでも「噛むこと」はストレスの緩和や自律神経への影響など、体全体によい影響を与えることがわかっています。

選手たちはガムを噛むことで、試合に深く集中するためのメンタルを構築していったり、極度のプレッシャーや不安を、ガムを噛む行為に意識を向けることで、精神の安定に役立てているのです。

アメリカ・セント・ローレンス大学の心理学者チームが、大学生を対象に、ガムを噛んでから、あるいは噛まずに複数の認知テストを行った場合にどういった違いがでるのか、実験を行いました。

結果は、ガムを噛んだ学生の方がテストで高いパフォーマンスを残しました。

これはガムを噛んだことで、脳の血流がよくなり、咀嚼のリズムによって自律神経系の副交感神経が高まったため、自律神経が安定し、深く集中することができたといえるでしょう。

現在では一般のガムよりも硬さがあり、噛むことに注力したスポーツ専用のガムも発売されています。

こういったアイテムをスポーツの世界だけでなく、ビジネスシーンなどにも取り入れていくことで、私たちもゾーンに入りやすい状態を作っていくことができるはずです。

ゆっくりと呼吸して自律神経を整える

もうひとつ、大きな効果があるのが「ゆっくりと呼吸をする」ことです。

不安や、その反対に気合が入った状態だと、交感神経と心拍数が上がってしまい、自然と呼吸は浅く激しいものになっていきます。脳に酸素も行き渡りにくくなるので、集中とはほど遠い状態になってしまいます。

そんなときに、ゆっくりと深呼吸をすれば、副交感神経が優位になり、心拍数は下がっていきます。

ただし、ただ深呼吸をすればいいということではありません。ポイントは「鼻から息を3~4秒吸い、口から6~8秒吐く」ワンツー呼吸法を行ってください。

この呼吸法は、ヨガや禅などの修行にも取り入れられています。呼吸が自律神経を整え、高い集中状態を作ってくれることを、自律神経といった概念のない時代から先人は経験則として知っていたのでしょう。

ワンツー呼吸法は次のように行ってください。

これで副交感神経が優位になり、自律神経のアンバランスさは解消されていきます。

先にすすめたガムとも併用しながら、高い集中力とその先にある「ゾーン」状態を呼び込めるように、この呼吸法も試してみてください。

小林 弘幸:順天堂大学医学部教授。日本体育協会公認スポーツドクター

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