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吐き気、頭痛…二日酔いに効くタイプ別漢方薬3種 肝臓のダメージを軽減するが、飲みすぎに注意

東洋経済オンライン / 2023年12月20日 8時0分

漢方の利水剤が西洋薬の利尿薬と違うのは、必要以上に水を出してしまわない点にあります。ただ水を出しまくるのではなく、体内の水分バランスを適正化し、不要なら排泄し、脱水によって不足しているときには体に水を留めるように働きます。

利水剤の代表格である五苓散は、熱中症などによる脱水時にも有効です。ほか漢方で「霍乱(かくらん)病」に分類される、吐いて下痢する病気(ノロウイルスや嘔吐下痢症をはじめとする感染症)の際に処方されることも多いです。

二日酔いの場合は、アルコールの代謝産物であるアセトアルデヒドという毒を体外に出すために水が必要になります。喉が渇いて水をガブガブと飲むわけですが、その余剰分の水により二日酔いの不快な症状が表れます。

特に、もともと体内の水分バランスが偏っていて、体質的に水はけが悪く、「口は渇いているのに、足はむくんでいる」「低気圧になると具合が悪くなる」といった人の二日酔いには五苓散がよく効きます。

五苓散は、沢瀉(たくしゃ)、猪苓(ちょれい)、茯苓(ぶくりょう)、白朮(びゃくじゅつ)、桂皮(けいひ)の5つの生薬から成る漢方薬です。桂皮の仲間はスパイスのシナモンで、気の流れを調整する生薬ですが、残り4種類はすべて利水作用がある生薬です。

五苓散の効能のむくみや口渇、下痢、嘔吐、排尿困難は、まさに二日酔いのときにありがちな症状です。そんなときに五苓散を服用すると、トイレが近くなり、どんどん尿が出てむくみが解消します。また口の渇きも徐々に治まっていき、体がすっきり軽くなります。

五苓散によって体内の水の偏在が解消して、水分バランスが整うのです。

今年の秋から冬にかけては寒暖差が大きく、お酒を飲んでいるわけではないのに先述の二日酔いのような症状に苦しむ患者さんも多くいらっしゃいました。水の偏在はお酒だけでなく、気圧や温度差によっても起こるからで、そのような方に五苓散を服用していただくことも多いのです。

五苓散は体質をあまり選ばず、子どもを含め、多くの方に飲んでいただける漢方薬です。

重症の二日酔いには半夏瀉心湯

最後は、半夏瀉心湯。みぞおちのつかえ、吐き気、お腹がゴロゴロ鳴って下痢がひどい、という重症の二日酔いにはおすすめしています。

お腹がこのような音を立てている状態を、漢方では「腹中雷鳴(ふくちゅうらいめい)」といって、水と熱が戦っている状態であると考えます。消化不良を起こしたときに起こりやすい症状ですので、半夏写真湯は二日酔いに食べすぎが加わったために起こる渋り腹や下痢にも有効です。

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