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親の介護で昇進を断念、悲観せず何ができるか 思い通りにならない現実で気づける視点もある

東洋経済オンライン / 2023年12月21日 15時0分

親の介護と昇進・昇格のタイミングが重なったとき、あなたはどのような選択をしますか(写真:metamorworks/PIXTA)

介護をしながら働く「ビジネスケアラー」は今後ますます増えていくと予想されています。しかし現実に仕事と介護の両立には多くの時間と労力が必要で、仕事の取り組み方を見直さざるを得ない人も多いものです。

もしも親の介護と昇進のタイミングが重なったら、あなたはどのような選択をするでしょうか。酒井穣氏の著書『ビジネスケアラー 働きながら親の介護をする人たち』から一部を抜粋・編集のうえ、親の介護と仕事の向き合い方について考えてみます。

介護を理由に昇進をあきらめる人たち

介護は、基本的には、誰もが、定年までには巻き込まれるイベントになってきています。現役世代1人あたりが関わる高齢者の数が、これから、劇的としか言えない速度で増えていくからです。

【資料で見る】ビジネスケアラーや介護離職者の増加を国はどう推測?

介護の始まるタイミングが悪いと、中間管理職への昇進をあきらめたり、場合によっては役員のオファーを断ることになるケースもあるでしょう。あまり、表には出ませんが、そうした場面に直面した人を、私は複数人知っています。

経営者や人事は、これを問題として考えてはいます。しかし、何か本質的に有効な対策が取られているわけではありません。どんなに支援の重要性を言いたてたところで、組織のリーダーになっていくということは、その責任と報酬に見合った犠牲が強いられるのは、仕方のないことだからです。

ここ一番のトラブルで、ビジネスの現場にいられないことは、責任をまっとうできないことにもなります。そうしたことを考えると、介護が始まるタイミングによっては、どうしても受けられない昇進や昇格というのが(今はまだ)存在してしまうのです。

とはいえ、少しずつではあっても、介護をしながら働くビジネスケアラーが増えてきています。その中で、介護に対する社会全体の理解が深まっていきます。そして介護をしながら、普通に昇進や昇格をしていけるような社会になるのは、その後の話になるでしょう。

本当に先進的な企業は、正しい方向に社会を変えるために、リーダーシップをとって、こうした環境を自ら先取りできるものです。ただ、自分がそうした企業の従業員である確率は、決して高くはないと考えるべきだと思います。

現実的には、介護が始まれば、管理職への道はいったん忘れ、仕事と介護が両立できる環境の整備に集中することも検討してみる必要があります。運よく介護が安定するまでの期間が短ければ、また再び管理職を目指すことも可能になるでしょう。

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