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日本人を印象操作するヤバいグラフを見抜く方法 数値はウソをついていないのによく見ると…

東洋経済オンライン / 2023年12月21日 16時0分

ただし、グラフの目盛りが0から始まっていれば全て信頼できるというわけではありません。0から始まっているものの、途中がぷっつり切れているのであれば、先ほどの0から始まっていないグラフと同様に、誤解を与えるグラフになります。このようなグラフは、途中のぷっつり部分を復元して比較しましょう。

他には、途中から目盛りの比率が化ける棒グラフも見かけます。グラフの目盛りは等間隔でなければなりません。例えば、左のグラフは0〜80と80〜100までの目盛りの幅が違います。おそらく何かしらの増加を極端に示すために用いられているのでしょうが、等間隔の目盛りに計り直して比較することが大切です。

ただしこのグラフは、縦軸の目盛り幅を変化させていますが、横軸の目盛りを変化させる「時空が歪んだ」グラフも存在するので、必ず「歪み」は確認しましょう。

2軸プレイに気をつけろ

棒グラフや折れ線グラフなどの複数のグラフを組み合わせて、左右に軸を設けた下のようなグラフを、2軸グラフと言います。異なるデータを一つにまとめることで、時系列の変化などをわかりやすく比較することができます。

例えば下のグラフは、1991年から2020年までの月間の平均気温と降水量を表したものですが、気温の変化と降水量の変化を時系列ごとに確認できます。

しかし、わかりやすく比較することができる反面、左右で2つの軸があるぶん、グラフがどちらの軸のものなのかわかりづらく誤解してしまう可能性があります。この2軸グラフは気温と降水量を表していて、単位が「mm」と「℃」と異なるので誤解することはあまりないかもしれません。しかし、次に紹介するような、単位が同じで桁や尺度が異なるグラフを作為的に見せる困ったトリックが多々あります。

特に、折れ線グラフを2軸で利用する場合、あるものは増加していき、あるものは減少していく逆転現象が起こりそうになっていることを「わざと」演出しているものを目にします。

例えば、下の2軸折れ線グラフを見てください。A社とB社の売上の推移を時系列で比較して表したものです。この折れ線グラフを見ると、半年間でB社の売上がどんどん伸びていき、A社を追い抜こうとしているように見えます。

しかし、軸をよく見ると、売上の桁が一つ違います。なぜ2軸にする必要があったのでしょうか? そもそもこの2社を比較すること自体が適切とは思えませんが、一つの軸でまとめてみると、下のグラフのようになります。
このように一つの軸にまとめて比較すると、先ほどと違ったイメージになるのではないでしょうか?

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