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日本人を印象操作するヤバいグラフを見抜く方法 数値はウソをついていないのによく見ると…

東洋経済オンライン / 2023年12月21日 16時0分

この円グラフを一見すると、「10~20代は不祥事を多く起こしているなぁ」と思うかもしれません。しかし細かく見ていくと、50代と10~20代で懲戒処分者数の差はたったの3人ですが、10~20代の方が大分多く懲戒処分者がいるように見えます。

また、30代と40代で懲戒処分者の人数は同じですが、30代の方が多く、かつ10~20代の次に多いように見えます。

中心がずれている円グラフ

この円グラフはそれ以外にも、問題のある点が数多くあります。わかりやすくした次のグラフを見てください。円を分割する点が中心からずれています。全て20%を表していますが、一つとして同じ割合には見えません。そのため、中心で分割しないと同じものが同じものに見えなくなるのです。

また、30代、40代、50代は10年区切りなのに、なぜ10代と20代はまとめたのでしょうか? もちろん10代で警察官になっているのは18歳と19歳のみということもありますが、まとめるのは適切とは言えません。そして、円グラフは「割合」を示すものです。なぜ割合で表さないのでしょうか?

こうしたグラフを見るときは必ず、普通のグラフに修正して検討し直してください。

10代と20代の具体的な人数がわからないので、割り振って修正したのが次のグラフです。

ここで紹介した、見た感じと実際のデータに大きな違いがあるグラフは適切なグラフではありません。その乖離を生み出す要素の一つが、3Dなのです。

大学の合格実績をアピールするグラフの罠

同様に、この3D棒グラフを見てください。どのように見えますか? 数値を細かく見る人ならわかると思いますが、2023年度の国公立大医学部・医学科の合格者数より2022年度のほうが多いのに、棒グラフ上はそのように見えないのです。数値はウソをついていません。

しかし、体積が遠近法によって大きく見えるのです。 私たちは数値とグラフを見た場合、グラフで相場観を見ることが多いので、この図はその特性を意図的に利用していることになります。

また、国公立大と私立大学の合格者数の合計が表示されていませんが、こちらも2023年度より2022年度のほうが多くなっています。そのため、このような3Dグラフは2Dにして見ることが大切です。2Dにすると次のグラフのようになります。

佐々木淳:下関市立大学教養教職機構准教授

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