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マンション管理人不足を解消"代務員"90代も活躍 シニアの"手を借りる"ぐらいがちょうどいい

東洋経済オンライン / 2023年12月21日 6時50分

彼らは日々の巡回や清掃などを通じ、入居者の安心・快適な暮らしに貢献する存在。

管理を疎かにすれば分譲マンションの資産価値にも影響するため責任は重く、担い手が少ないのだ。

そこで注目されているのが「代務員」。管理会社の常駐管理員が休暇や退職などで不在となる際に派遣されるスタッフのことだ。管理会社にとっては常駐者の仕事の負担を減らし、働き方改革につなげられるといったメリットがある。

90歳も「代務員」で活躍

「うぇるねす」の代務員が行う業務は主に清掃だ。しかし、入居者が管理に求める内容や質は常駐者であれ、代務者であれ変わらない。そのため代務員は、建物の巡回業務や入居者対応など責任ある業務まで担うケースも多い。

実際に今、「うぇるねす」への代務員の派遣依頼が増えているという。代務員の平均年齢は70歳。なんと最高齢90歳の人も働いているとのことだが、それを可能にしているのは何だろうか。

1つに勤務体系がある。業務契約で定年がなく、一定水準の体力と意欲、コミュニケーション能力があればいつまでも働ける。

勤務時間は3時間、5時間、8時間に分かれ、体調や都合に合わせ「働く・休む」を選べる高い柔軟性を備えているのも特徴だ。

1人あたりの月間平均勤務日数は10日程度というから、無理なく働けそうだ。このように「うぇるねす」のビジネスモデルは代務員を求める管理会社と、働きたいアクティブシニアのマッチングサービスだと言える。

管理会社と「うぇるねす」、代務員の情報のやりとりはWEBを通じて行われる。このうち、代務員は専用アプリの入ったスマホで、現場トラブルの情報共有や出退勤、業務報告などをする。

アプリ自体も使いやすいように工夫されているため、懇切丁寧な指導によって全員が使いこなせるという。また、仮に現場での解決が難しいトラブルが発生すれば、管理会社や「うぇるねす」の社員が対応する。

私たちには「シニアはデジタル弱者」というイメージがあるが、機能を限定し使いやすい仕組みにすれば支障なく業務に活用できるわけだ。

働くことによる安心感

一方、アクティブシニアといってもやはり高齢者。健康面での懸念がつきまとう。そのための配慮として「エリア会」という横のつながりが設けられており、定期的にその単位ごとに集まり、情報交換や助け合いを行っている、とのことだ。

代務員は1人で現場に行き作業する、という孤独な立場であるし、近年、1人暮らしの高齢者も増えている。

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