石川・のと鉄道七尾線、廃線区間の足は「空港バス」 穴水―輪島間、特急バスと空港連絡バスが主軸
東洋経済オンライン / 2023年12月28日 6時30分
穴水は元の分岐駅で、のと鉄道の本社と車両基地がある。先へ延びていた七尾線、能登線の線路は少しだけ残され、車両の入れ換え用に使われていた。駅舎を出ると、左側には物産館「四季彩々」があり、その前に特急バス乗り場がある。七尾線、能登線の代替バスなど一般路線バスの乗り場は出て右側。立派な待合室が併設されている。
七尾線を代替するバス路線は穴水輪島線が該当する。穴水駅前―輪島駅前間が基本的な運転区間で輪島行き11本、穴水行き9本を運転。そのうち一部の便は穴水総合病院や、観光交流施設の輪島マリンタウン発着となっている。
まずは穴水駅前14時50分発に輪島駅前まで乗ってみる。この便は穴水総合病院始発だが、先客はなかった。鳳珠(ほうす)郡穴水町は、七尾、輪島、珠洲などと並ぶ能登半島の中心地の1つだが、バスが一回りした商店街は、ご多分にもれず人影が少ない。
能越自動車道の一部、穴水道路の下をくぐると、穴水インターチェンジに近い此木(くのぎ)交差点で、スーパーマーケットなど、郊外型店舗が集まっている商業地帯となっている。能登半島全域からアクセスしやすい場所だ。ここから若者が乗り込んで来た。
路線バスの系統は、のと里山空港経由と市の坂経由におよそ半々ずつに分かれ、この便は2003年に開港した空港へ向かう。旧七尾線のルートとは外れるためだろうか。能登線方面とは違って、穴水輪島線は積極的に「鉄道代替」とはうたっていない。
のと里山空港インターチェンジの近くで穴水町から輪島市へ入る。若者たちは、ガソリンスタンドとカレーショップ程度しか周囲に目立った建物がない、臨空産業団地前で降りた。日本航空高等学校石川・大学校が近くの空港隣接地にあり、そこの生徒らしかった。寮完備でバスの通学需要はなさそうだが、時々、町へ出たくなる気持ちはわかる。
航空便のほうは羽田―能登間に2往復あり、北鉄奥能登バスは発着便に接続する形を取っているが、そればかりではない。空港ターミナルビルには、石川県奥能登総合事務所など行政機関がいくつか同居しており、そちらへの需要も見込んでいるようだ。
まめに利用客を拾う路線バス
輪島へ通じるメインルートである県道1号七尾輪島線へ戻り、駅があった能登三井にも「三井駅前」のバス停名が健在。駅舎も残っていた。現状、能越自動車道はのと三井インターチェンジまで。のと里山空港からの区間は、2023年9月に供用を開始したばかりだ。
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