「3週間の休暇」で競争力首位のデンマークの秘密 脳を休めることで得られる「意外なメリット」
東洋経済オンライン / 2023年12月30日 15時0分
日本人は休むのが下手だと言われる。なんだかんだ平日に終えられなかったタスクを土日の間に処理するという人もいるだろう。2023年IMD世界競争力ランキングで2年連続1位に輝いたデンマーク(日本は35位)では、ビジネスパーソンは「積極的に休む」という。はたして、その理由とは。本稿では、デンマーク在住の針貝有佳氏の新著『デンマーク人はなぜ4時に帰っても成果を出せるのか』より、デンマーク人の驚くべき「休み方」について解説する。
余白からアイデアが生まれる
一定期間における総労働時間を定め、その範囲内でフレキシブルに働く「フレックスタイム制」は、ムリしたら休むというフローをつくるのに役立つ。
長時間働いた翌日には早退する、大きなプロジェクトで忙しい時期が続いた後は連休を取るなど、フレキシブルに調整できる。
ネット環境整備の仕事をしているカーステンは、フレックスタイム制を大胆に活用している。カーステンは、会社と交渉して、週4日出勤にしてもらっている。つまり、月曜日から木曜日までの1日の労働時間を長くする代わりに、金土日は休んで週休3日にしてもらっているのだ。カーステンの説明はこうだ。
「1日7時間労働というのは、僕にはちょっと短すぎる。僕は以前の仕事の関係で、1日12時間くらい働くのに慣れているんだ。だから、僕の場合、1日の労働時間を長めにして、週休3日にさせてもらってる。この働き方がちょうど良くて気に入ってる」
こんな交渉を会社が受け入れてくれるのが驚きだ。
だが、たしかに、それが本人にとって最高のパフォーマンスを発揮できる働き方なのであれば、会社にとってもプラスなはずだ。
カーステンのように、ここまで大胆にフレックスタイム制を活用できれば、自分にとって最高にパフォーマンスが上がる画期的なワークスタイルを開発できそうだ。カーステンのアイデアは、じつは理に適っているのかもしれない。
週休3日を企業やコミューン(市)に導入してきた「テイク・バック・タイム」のペニーレは、週休3日にしたほうが、生産性が上がり、仕事への満足度も高まるのだと主張する。
ペニーレはそのメカニズムについて、以下のように説明する。
「週休3日にして休日が1日増えると、脳が休まる。リラックスして、俯瞰して物事を見られる。リフレッシュできて、仕事にエネルギーを投入する用意ができて、再び仕事に戻ったときに集中して仕事ができる」
実際に、ペニーレのアドバイスにしたがって週休3日を導入した会社の社長は、ペニーレにこう報告してくれた。
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