「火の技術」を手にした人類が大発展した深い理由 生命と科学技術の進展の基礎はここにある
東洋経済オンライン / 2023年12月30日 17時0分
火の技術を手に入れたことで起きたことをまとめておきましょう。
① 食生活の変化
火で焼くことにより、そのままでは食べることができなかった魚介類、草木の根、塊茎などが食料に変化しました。また、火で焼くことにより食料の保存ができるようになり、毎日、食料を取りに行かなくてもよくなりました。
② 居住地の拡大
食物が手に入りやすくなり、暖かさも手に入れた人類は、河川や海岸に沿って居住地を拡大していきました。
③ 道具の発明
熱を有効利用するために、さまざまな道具がつくられました。
初めにつくられたのは「かまど」です。最初は、石でつくられたかまどでした。そこから地面を掘ったかまど、粘土でつくられたかまどへと変化し、やがて高温を出せる炉がつくられました。
また、空気を送るためのうちわのようなものが「ふいご」へ進化し、さらに高温の炎を手に入れると、その炎を使って鉱石から金属を手に入れられるようになりました。
④ 炎を使うための道具の発明
炎を使って、物を煮る器がつくられました。初めは、熱に強い土器がつくられ、やがてうわぐすりをかけた陶器へと進化していきました。
火を使う以前は、自然の産物を道具にしていました。
例えば、動物の骨をこん棒にしたり、小石を削って刃物にしたりして使っていたのです。これらは形が変化しても骨は骨のまま、石は石のままで質的な変化はありません。
ところが、火を利用することによって、自然界の材料を使いながら、質的に変化したものや、天然のままではほとんど存在しない物質をつくり出し、手に入れるようになりました。
この質的な変化は化学変化であり、人類は火を使って化学変化を起こすことができるようになったともいえます。
火は人類の生活に、決定的な変化をもたらしたのです。
左巻 健男:東京大学非常勤講師。元法政大学教授、『RikaTan(理科の探検)』誌編集長
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
「金の鍵」が入ったハルビン工大の合格通知書―中国
Record China / 2024年6月13日 12時30分
-
【1902(明治35)年6月8日】成層圏発見の日
トウシル / 2024年6月8日 7時30分
-
九大、高度80~1000kmほどの「熱圏」における新たな物理法則を発見
マイナビニュース / 2024年6月5日 14時47分
-
ドコモらがHAPS手掛けるエアバス子会社に1億ドル出資、26年国内サービス化めど
マイナビニュース / 2024年6月4日 8時52分
-
世界初の木造人工衛星「LignoSat」が完成 京都大学と住友林業が開発
sorae.jp / 2024年6月3日 9時52分
ランキング
-
1バブル期のリゾート地では1室数千万円も、いまや数十万円まで値下がり…「貧乏マンション」の悲惨な末路【サラリーマン大家が解説】
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年6月16日 14時5分
-
2爆増する「ロピア」にも負けないスーパーの正体 従来スーパーが切り捨てた生鮮ノウハウを強化
東洋経済オンライン / 2024年6月16日 13時0分
-
3「戦力の集中」運用に背いたゆえのミッドウェー敗戦 空母4隻と2隻に分けたことがそもそもの敗因
東洋経済オンライン / 2024年6月16日 9時0分
-
4「役職定年」を廃止する日本企業が増えた理由 タイプ別で変わってくる新潮流への適応方法
東洋経済オンライン / 2024年6月13日 7時10分
-
5あるファストフード店で「凡ミス」が続出…従業員の脳派や心拍数を計測してわかった"決定的な原因"
プレジデントオンライン / 2024年6月14日 9時15分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
![](/pc/img/mission/mission_close_icon.png)
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
![](/pc/img/mission/point-loading.png)
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください
![](/pc/img/mission/mission_close_icon.png)