深夜の浜松SA「トラック輸送」の現場で見た"奇策" 迫る「2024年問題」、トラック運転手の働き方改革
東洋経済オンライン / 2023年12月30日 8時30分
新東名高速道路の浜松サービスエリアに隣接する、2150坪の広々としたスペース。真っ白い照明が周囲を照らす中、午前0時にかけて大型トラックが続々と集まってくる。
【中継輸送を解説】泊まりの長距離運行を、どうやって日帰りに変えているのか
ここはコネクトエリア浜松と呼ばれる「中継輸送」の拠点、関東と関西からやってくるトラックの待ち合わせ場所だ。中継輸送は途中で荷物を交換するなど、複数のドライバーがリレー形式で輸送を担う仕組みを指す。
1泊2日の運行を日帰りにできる
物流業界は、2024年4月から時間外労働の上限規制が課せられ、長距離ドライバーの人手不足が深刻化する「2024年問題」を目前に控える。各種規制で長距離運行が難しくなる中、中継輸送はドライバーの負担を減らす作戦として、一段と注目されている。
従来の輸送方法では、1人のドライバーが1日かけて目的地へ荷物を運び、荷下ろし後に車内で睡眠をとる。新たな荷物を積んで、再び出発地に戻るという流れで、1泊2日の行程が基本になっていた。
中継拠点では、大阪から来たトラックと東京から来たトラックが待ち合わせし、荷物を交換する。そして、大阪から来たトラックは大阪へ、東京から来たトラックは東京の拠点へ帰っていく。日帰り勤務が可能になるため、拘束時間・労働時間の短縮につながるのだ。
浜松サービスエリアは東京インターチェンジ(IC)から224キロメートル、大阪・吹田ICから246キロメートル。所要時間はそれぞれ3時間前後で、ほぼ中間地点に当たる。拠点を構えるには申し分のない場所だった。
コネクトエリア浜松で行われていた中継方法は主に2通り。1つは単に車両を乗り換える方法だ。ドライバーは声を掛け合い、簡単な連絡をしながら、リュックサックなどの手荷物を持って乗り換えていた。
もう1つは荷台を交換する方法だ。トレーラーの場合は、貨物部分の「トレーラー」を牽引する運転席部分の「トラクタ」を切り離して入れ替える。運転席部分と荷台部分を着脱できる「スワップボディ車」の場合も同様の作業を行う。それぞれ、作業はほんの数分で済む。
基本は関東や関西方面から、同時刻を目指して運行する。交通状況によっては到着が前後するため、早く到着したドライバーは荷台の交換の準備を進めつつ、休憩をとって相手を待つ。
トラックドライバーの休憩は原則、4時間ごとに30分以上とるよう厚生労働省の「改善基準告示」で定められている。休憩をとる場所としても、浜松はちょうどいいポイントなのだ。
毎日50台程度が利用
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