東京タワーが観光スポットとして人気再燃の理由 積極的な仕掛けで来塔者はコロナ前水準超えも
東洋経済オンライン / 2024年1月1日 11時30分
2023年度の状況を運営会社の(株)TOKYO TOWERに確認すると、
「今年度の来塔者数は、昨年度に比べて約1.5倍の約200万人以上を見込んでおり、コロナ前とほぼ同水準か、それ以上になる予想です」(広報担当者)とのことだった。
現在の東京タワーの様子
実際の盛り上がり状況はどうなのか。クリスマスシーズン真っ只中の東京タワーを久しぶりに訪れてみた。浜松町から増上寺に向かって歩き出すとビルの間にオレンジ色に輝くタワーが浮かび上がって見える。増上寺の境内では大殿と東京タワー、そして超高層ビルをセットにしてスマホで記念撮影するアジア系の観光客の姿があった。江戸、昭和、令和の3時代が1枚の写真に納まる構図である。
浜松町から15分ほど歩いて東京タワーに到着。正面玄関の前には65周年を記念し、クリスマスツリーに見立てた高さ10メートルの「リトル東京タワー」オブジェが展示され、LEDライトを駆使した光のファンタジーが繰り広げられている。BGMが流れる中、リトル東京タワーの色がオレンジからブルー、グリーンなどに変化するイルミネーションショー。見物客はその美しさに魅了されている。
1階には2005年に公開された映画『ALWAYS 三丁目の夕日』の舞台となった「夕日町三丁目」(架空の町)の街並みを再現したジオラマが展示されていた。映画のワンシーンが彷彿とされ、昭和30年代にタイムスリップしたかのようだ。奥には「RED゜TOKYO TOWER」の一角があり、若者がボートレースの体験型アトラクションを楽しんでいた。
メインデッキに向かうエレベーターに乗り込んだ10人ほどの客は、筆者と1組の日本人カップル以外は台湾人のグループだった。メインデッキで東京の夜景を楽しむ。日本一の超高層ビル「麻布台タワー」(330メートル)や「虎ノ門ヒルズ」、そして東京スカイツリーなど夜の摩天楼ワールドを一望できる。
ふと、ある景色が消失していることに気が付いた。以前来た時には、レインボーブリッジの左手にお台場の観覧車が見えたのだが、その姿がない。昨年、一帯の再開発のため営業を終え、解体されたのだった。新たな超高層ビルの登場と退場していった観覧車。時代の流れを実感する。
さまざまな国からの外国人が訪れる
メインデッキから高さ250メートルのトップデッキへ向かうゲートの前には、トップデッキツアー参加客の長い列ができている。それにしても外国人が多い。英語、中国語、韓国語、フランス語、スぺイン語などさまざまな言葉が飛び交っている。カップル、グループ、団体客、家族連れなど多彩だ。コロナ前の外国人客は4割ほどとのことだったが、この日はそれ以上ではないかと思えるほどだった。
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