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「定年後の人生」を左右する「50代で心掛ける事」 ハロワ通った宇宙飛行士が気づいた3つのこと

東洋経済オンライン / 2024年1月3日 19時0分

では、どうすれば50代以降、幸せな人生を過ごせるのか。

そのための心構えは3つあります。

1.組織とのつながりを少しずつ弱めていく

僕は2022年6月1日、57歳のときに、26年間近く宇宙飛行士として所属していたJAXAを退職しました。

定年を待たずに退職することを決めたのは、もちろん「後進に道を譲りたい」という気持ちもありましたが、

「JAXAにいて次の飛行ができる可能性は限りなく0に近い」
「まだ自分の中に燃料が残っているうちに、民間や世界など、もっと広い世界に出て行って、もう一度もまれたほうがいい」

と思ったからでもありました。

人間の気力や体力は、年齢を重ねるにつれ、どうしても失われていきます。56歳から60歳までの5年間と、61歳から65歳までの5年間では、同じ時間であっても、できることは大きく異なります。

同じ職場の何歳か上の先輩方の中には、定年を迎えると同時にそれまでのキャリアや人間関係など、組織のさまざまなつながりを一気に切られ、苦労している人もいました。

その様子を目の当たりにして、そして何よりも、自分自身が40代後半から50代後半にかけて苦しんだ経験を踏まえて、「60歳を迎える前に、自分で組織のつながりを断ち切り、自分一人でアイデンティティを築けるようにしておかないと、自分が宙ぶらりんになってしまう」という危機感を抱いたのです。

だからといってみなさんに、「今すぐ退職すべきだ」と言っているのではありません。

ただ、慣れた環境で働けることに安心しきっていると、やがて組織とのつながりが切られることに気づけずに、深い苦しみや悩みに直面することになります。

「このまま同じ場所にいてはいけない」「今のうちに、自分の足で歩き出さなければいけない」という気持ちで、定年後も生きていくための準備をしておくのです。

2.本業以外のミッションを見つけて取り組む

もしかしたら、みなさんの中には今、あまり望んでいない仕事をしている人がいるかもしれません。

どこにも帰属意識が感じられない人、「自分は十分な評価を得られていない」と感じている人もいるかもしれません。

しかし、そんな中でも、果たしたいミッションを明確にして頭の片隅に大事にとっておき、少しずつでも行動を起こし、「本来の自分、なりたい自分に近づきつつある」「本当にやるべきミッションに取り組んでいる」と日々実感することができれば、それだけで幸せが得られるはずです。

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