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わずか12畳「都心の狭い家」に住む中年夫婦の実態 ものが置けない部屋だからこその気づきとは?

東洋経済オンライン / 2024年1月7日 12時0分

私があまりにも楽しそうなので、夫も真似をはじめました。そのスタートは、太陽の塔の大きめサイズのフィギュア。コロナの給付金で購入しました。

小学1年生の時に大阪万博でもらったパンフレットを今も大切に持っている夫にとって、太陽の塔は子供の頃に夢見た未来の象徴で、「怪獣のような見た目もかっこいいし、未来にいいことがたくさんあると思ってたあの頃の自分を思い出せる懐かしい存在」だと言います。

本連載の第3回で綴ったように、スキルス性胃がんになっても前向きに暮らしている夫。なので私としては「今でも十分に未来に希望を懐いていそうだけどな……」などと思ってしまうところですが、それはさておき、夫は高校時代に憧れたと言う音響機器メーカーSANSUIの小さなステレオ(当時のSANSUIは破産しているため、別会社が製造している)も買いました。理由を聞けば、

「当時のSANSUIは高級オーディオで、とてもじゃないけど手が出なかったから、SANSUIを持ってると思うだけでうれしい」

とのこと。感慨深いものがあるようです。

夫と言えばそうそう、夫婦が仲良くなるきっかけになった、映画「スター・ウォーズ」のドロイド(ロボット)をモチーフにしたアイテムは特に好んで所有しています。

見た目がかわいいだけでなく、映画のこと、映画をはじめて観た頃の自分のこと、映画の話で盛り上がった恋愛初期の2人のことなど、忘れたくない大切な何かを思い出させてくれる、タイムマシーンでもあります。

自分の原点に立ち戻る、きっかけになる

雑貨屋で気に入ったオブジェを飾るのもいいし、興味のない地名の書いてあるポスターを飾るのもいいけれど、ふとした瞬間に自分の原点に立ち帰れる、自分にとって三つ子の魂にあたるようなものを飾っておくことで、自分の原点に立ち戻るきっかけになるのもいいなと思います。

狭い家が教えてくれる、世間の常識に流されない尊さ

ただし、我が家は12畳しかありません。居室を広げるために押し入れは撤去してしまったため、主な収納スペースはベッドの下と、玄関廊下に設置したメタルラックのみです。つまりは、所有できる量が、普通のご家庭よりかなり少ない。

そのため、一般的な家庭にあるものでも、なくても生活できそうなものは手放しています。キッチンでいうと、炊飯器やオーブントースター、電気ポット、食器の水切り、三角コーナー、洗い桶などがありません。また、タオルや靴下、シーツなどは必要最低限の量を保つ、日用品のストックをしすぎないなど、狭い部屋がモノで占領されないように気をつけています。

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